39話 過去への旅 別離
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ブラスカがシンを倒し、大召喚士となった夜から
ユウナは教えに背く、アルベドの血をひく娘から
大召喚士ブラスカ様の娘になった。
自分を避けていた寺院の人びとが、笑顔で父を誉め讃える。
最初は嬉しかった。
子どもなりに、父の立場が余り良くないことを、知っていたから。
でも、段段それが、苦痛になってきた。
あの笑顔に囲まれると
父さんが死んだことを、悲しめない。
悲しんじゃいけないんだと、言われている気がした。
夜、眠れなくて。
独りで寺院を抜け出した。
人の波を避けて歩いていると、橋の近くに来ていた。
ここなら、誰にもわからない
それで、この橋の上で、アーロンさんたちの帰りを待つことにした。
みんなの前でなら、思い切り泣いても、許してくれる
そう、思った。
橋の上で、ナギ平原の方角を眺めていた。
すると、隣りに誰かが立った。
不思議に思い、見上げる。
ユウナの前に、山のように聳える大きな体躯に、長い爪の手足。
獣のような口を持つ男が立っていた。
聖なるガガゼト山を護るーーロンゾ族。
思わず、呼吸が止まった。
「大召喚士ブラスカの娘、ユウナを探している。知らないか?」
真近で見るロンゾに、ユウナはすぐに答えられなかった。
背丈2メートルを越すロンゾは、それだけで威圧感を与える。
答えないユウナに、キマリは諦めて立ち去ろうとした。
「ーーユウナ」
「知っているのか?」
キマリは、膝をついた。
ユウナは目線が下りたことに、少し安堵する。
「私が・・ブラスカの娘、ユウナです」
「私は、キマリ・ロンゾ。ユウナを、ビサイド島へ連れて行くように、頼まれた」
「ビサイド島?」
「そうだ」
「でも・・」
アーロンもアヤも、まだ戻らない。ユウナは躊躇った。
「これはーー死に逝く者の、願いだ」
「えっ・・」
父さんの願い?
それなら、アーロンもアヤも、知っているだろう。
ユウナは決心した。
「私、ビサイド島へ行きます」
キマリは、ユウナを抱き上げた。
ユウナは、ブラスカが旅立つ前
ブラスカやアーロンが、こうして抱き上げてくれたことを、思い出す。
キマリの首に掴まると、彼の瞳が真近に見える。
金色のつぶらな瞳は、優しさを湛えていた。
父ーーブラスカのように
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