39話 過去への旅 別離
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「ーーーー」
誰かに、呼ばれた。
閉じていた瞼を、懸命に持ち上げる。
まだ、陽は高いはずなのに
視界が暗い
「だれ、だ・・」
「私はキマリ。キマリ・ロンゾ。大丈夫か」
「ロ・・ンゾ族、か・・」
「喋るな、いま旅行公司に運んでやる」
うつ伏せで倒れている体を、仰向けにして抱え上げようとしたキマリは、あまりの傷の深さと出血の多さに驚いた。
「キ・・マリ・・・」
もう、指一本動かす力も残っていない。
必死に声を絞り出す。
「た・・のみ・・きい・・ほしーー
」
余々に、暗闇に堕ちていく瞳から、涙が溢れた。
「ベベル・・いるーー召喚士ブラスカ・・娘・・ユウナをーービ・・イド・・へ」
「ユウナという娘を、ビサイド島へ連れて行けばいいのか?」
苦しい息の下、アーロンは頷いた。
「それだけか?」
その言葉に、キマリの金色の瞳を見上げる。
瞳に映る、血まみれの自分。
『三人で、暮らさないか』
南の島の、穏やかな村。
素朴な村人たちと、純真な子ら。
あぁーーあの島で、二人の笑顔に囲まれて、生きていけたら
幸せだろう
しかし、その幸せを手放したのはーー
アーロンは、瞼を閉じる。
その裏に浮かんだのは
力ずくで組み敷かれ、涙を流すアヤの顔。
きっと 憎んでいる
憎まれて 当然だ
アヤを踏みにじることで誤魔化したんだ
己の力の無さを
認めたくない
ただ それだけの為に
あれから、何日が過ぎた?
もう、とうに、ベベルへ戻っているだろう。
しかし、あの家にはーー
帰りなど、待っていてくれるはずもない。
俺のことなど、きっとーー
アーロンは、眼を開けた。
「い・・や、それだ・・け・・・」
「わかった」
頷くキマリに、アーロンは意識を失った。
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