39話 過去への旅 別離
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太刀を構え、アーロンは叫んだ。
「只の気休めではないか!!ブラスカは、教えを信じて命を捨てた!!
ジェクトは、ブラスカを信じて、犠牲になった!!
アヤは、ブラスカのナギ節が、永遠であることを願っていた!!」
遣り切れない憤りを、アーロンは吐き出した。
「信じているから、生きていける。
信じていたから、自ら、死んで逝けたのですよ」
「ああああああっっ!!!!」
太刀を振りかぶり、ユウナレスカに猛然と斬りかかった。
ユウナレスカは、アーロンの突進に少しも動じずに、腕を振り上げる。
彼女の放った赤い光が、アーロンの顔面を斬り裂いた。
アーロンは、その光に呆気なく弾き飛ばされる。
血を撒き散らしながら宙を舞ったアーロンの身体は、床に叩きつけられた。
太刀は掌を離れ、アーロンの後を追い、宙を舞った。
鮮血が、床に広がる。
そこへ、太刀が床で弾かれて真っ二つに折れた。
俯せに倒れたアーロンに、ユウナレスカは言い放つ。
「立ち去りなさい。此処は、あなたが来る場所ではありません」
ユウナレスカは何処かへ消え、アーロンは血を滴らせながら、ヨロヨロと立ち上がった。
折れてしまった太刀を拾うと、覚束ない足取りで、魔天を後にした。
魔天と広間をつなぐ階段を、転がり落ちた。
「う・・」
身体を走る激痛に、声を上げることすら儘ならない。
落ちた痛みか、あの女に斬られた傷みか
どちらもーーこれから、ジェクトが味あわなければならない苦しみに比べれば、取るに足らない。
「くっーー!」
歯を食いしばり、アーロンはまた、立ち上がる。
教えなど、信じていなかった。
ブラスカが信じていたから、従っていただけだ。
アーロンは、嘲笑う。
最後の最後に
エボンの教えに縋りついた自分を。
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