39話 過去への旅 別離
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雪深いガガゼト山を、見納めとばかりに見上げた。
チラつく雪と険しい頂きが、今日もこの山を越える者に、試練を与える。
それは、この山を護る者にとっても同じ。
山に暮らす者にも、山を去ろうとする者にも、聖なる山は平等に厳しかった。
感慨深く見上げる金色の瞳を、彼は前に向ける。
いつまでも感傷に浸っていても、仕方ない
彼は歩き出した。
「キマリ」
その声に、立ち止まる。
「どうしても・・行くの?」
「キマリは誇りを折られた。もう、御山にはいられない」
「でも・・」
「これ以上、生き恥を晒すことはキマリには耐えられない」
振り向かずに、キマリは再び歩き出した。
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