37話 過去への旅 彷徨
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「確かに、土地は豊潤ではないが・・静かでいい島だ。村の子供たちも、皆、純朴で。
ユウナのいい友達になってくれると思うんだ。それにーー」
ブラスカは、三人を見渡す。
「ユウナには、自分で決めて欲しいんだ」
「何を?」
ジェクトは、腕を組むと首を傾げた。
南国の蒼い海が似合い過ぎる彼に、ブラスカは目を細める。
「ベベルにいたら、きっとあの娘は召喚士になる。周りが、そうさせてしまうだろう」
「自分と同じ仕事につくのが、イヤなのか?」
益々わからないと言った顔になる。
アーロンはブラスカの気持ちを慮(おもん)ばかり、悲し気に海に視線を移した。
「そうではないよ。ユウナが自分の意志でなるならね。でもーー」
いずれ、ユウナも
「恋をして、結婚して・・夫や子供や友人に囲まれた、そんな人生を送って欲しいと思っているんだ」
ブラスカの望みに、ジェクトは拍子抜けした顔をした。
組んでいた腕をほどき、頭をガシガシと掻く。
「そんなの簡単じゃねえか。ブラスカが、シンを倒せばいいんだろ」
呆れ顔のジェクトを見て、ブラスカはニッコリ笑う。
「そうだね。必ず倒すよ」
「そうこなくっちゃ!!さ、行こうぜ!船が出ちまう」
ジェクトは白い歯を見せる。
意気揚々と、港へ向かって歩いて行くジェクトの後に、ブラスカは続いた。
アヤも歩き出したが、アーロンはまだ立ち止まって、海を見ている。
「アーロン?」
振り返って訝し気に尋ねるアヤに、アーロンはハッとした。
「あぁーーすまない。今、行く」
歩き出したアーロンに、アヤはホッとして微笑み、連れ出って二人の後を追った。
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