36話 過去への旅 邂逅
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ここに放り込まれた次の朝、奇妙な服を着た男が現れた。
昨日のヤツらとは違う、仰々しい赤い服。
手には、杖持ってやがる。
「誰だ?おめえ」
昨日の一件で、最高に機嫌が悪かった。
普段でもしゃがれて威圧感のある声が、益々凄みを増した。
「ザナルカンドから来た男ーージェクトとは、君のことかい?」
俺の脅しなど、柳に風とばかりに涼しい顔をしやがった。
「だったら、どうする?」
「貴様。何だ、その態度は!!」
俺の挑発的な態度に、そいつの後ろにいた若い男が前に出て来る。
随分とがたいのいいヤツだ。俺といい勝負か?
青臭い若造にニヤニヤしていると、手前にいるヤツが手で制した。
「あぁ、すまない。私はブラスカ。召喚士だ。君を、ここから連れ出しに来た」
ブラスカは、長年の友人に接するように、穏やかな笑みで言った。
俺は鉄格子に近づくと、唇を歪め思いっきり疑がいの眼差しを向けた。
まあ、当然だな。俺だって、それ程バカじゃねえ。
「ほ~う、うまい話だ。裏がありそうだな」
「ははは、見破られたか」
けっ、喰えねえヤツ。
「私はもう直ぐ、ザナルカンド目指して旅立つ」
「本当か!?」
ブラスカの言葉に、鉄格子を掴んだ。
「うん。君にも是非、同行して欲しい。危険な旅だがね。
でも、首尾よくザナルカンドに到達出来ればーー
私の願いは叶うし、君は故郷に帰れるーーかもしれない。さあ、どうする?」
そんなの決まってんだろ!!
「よし!乗った!!!」
「ほう、決断が早いね」
意外だと、顔にかいてある。即答するたあ、思わなかったんだろう。
まあ正直、考えるのは苦手だがな。
「考えたって、こっから出られねえからな。行動あるのみだ」
「決まりだな」
ブラスカは笑った。
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