35話 冒涜
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「究極召喚も、エボンの教えも、スピラを照らす希望の光。
希望を否定するのなら、生きていても悲しいだけでしょう。
さあ、選ぶのです。あなたの祈り子は誰?
希望の為に、捧げる犠牲を」
一方的に『希望』を提示し、決断を迫るユウナレスカに、ユウナは直裁する。
「嫌です。死んでもいいと思っていました。
私の命が役に立つならーー
でも究極召喚は、何ひとつ変えられない、まやかしなのですね」
偽りの平和だから、すぐに壊れるんだ。
「いいえ、希望の光です。あなたの父も、犠牲となりました。悲しみを忘れる為に」
ユウナは首を振る。
あなたは、何もわかっていない。
父さんのことも、今まで此処を訪れた召喚士のことも
「違います!父さんの願いは、悲しみを消すことだった。
忘れたり、ごまかすことじゃない!」
「消せない悲しみに逆らって、何の意味があるのです」
抗うことの虚しさを、滔々と口にするユウナレスカ。
ユウナは、十年前のブラスカの姿を、その胸に想い描いた。
「父さんのことーー大好きだった。
だから、父さんの出来なかったこと、私の手で叶えたい!
悲しくてもーー生きます!」
ユウナは、ユウナレスカを見据え、宣言した。
「生きて、戦って、今は変えられない運命でも。
いつか、必ず変える!まやかしの希望なんてーーいらないっ!!」
「ユウナーー」
アヤが呟くと、アーロンが肩を抱いた。
振り仰いだアヤの目に、アーロンが映る。
アーロンの手に、力が籠もる。
ユウナは、自分の進むべき道を決めた。
私たちは、ユウナを守り抜く。何があっても。
自分を否定するユウナに、ユウナレスカは哀れみの目を向ける。
「哀れなーー自ら希望を棄てるとは。
ならば、あなたが絶望に沈む前に、せめてもの救いを与えましょう。
悲しい闇に生きるより、希望の光に満ちた死を。
全ての悲しみを、忘れるのです」
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