35話 冒涜
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ユウナレスカが待つ摩天は、その天井一面に、宇宙があった。
渦巻く星雲に、瞬く星々。
寿命の尽きた星は、その
夢のように。
摩天に入って来たユウナたちを、ユウナレスカはにこやかに迎えた。
「祈り子となる者は、決まりましたか?誰を選ぶのです」
「その前に、教えて下さい。究極召喚で倒しても、シンは絶対に、甦るのでしょうか」
エボンの教え
父さんが信じた 希望
「シンは、不滅です。
シンを倒した究極召喚獣が、新たなシンと成り代わりーー必ずや、復活を遂げます」
「そんで、オヤジがシンかよーー」
忌々し気にティーダは呟き、拳を握りしめる。
ジェクトの悔しさが、この胸をよぎった気がした。
「シンは、スピラが背負った運命。永遠に変えられぬ、宿命です」
「永遠にってーー」
ワッカは、ユウナレスカの答えに唖然とした。
そして、滑稽な程、媚びた声を出した。
自分の望む答えが、訊きたいがために。
「でもよ!人間が罪を全部償えば、シンの復活は止まるんだろ!?
いつかはきっと、何とかなるんだろ!?」
「人の罪が、消えることなど、ありますか?」
「うっ・・」
ユウナレスカは、ワッカの望みを、細々に砕いた。
ブリッツボールの選手である、ワッカの大きな掌でもーー掬い取れない程に。
「答えになっていません!!!!」
言葉を失ったワッカに代わり、怒りを抑えきれなくなったルールーが叫んだ。
「『罪が消えれば、シンは消える』
エボンは、そう教えてきたのです!!
その教えだけが、スピラの希望だった!それを信じてーー」
彼は 戦ったのに
ユウナレスカは、冷淡に告げる。
「希望は、慰め。悲しい定めも諦めて、受け入れる為の力となる」
剣を握りしめ、ティーダはユウナレスカの前に飛び出した。
「ふざけるな!」
『ふざけるな!』
太刀を構え、十年前のアーロンは叫んだ。
『只の気休めではないか!!
ブラスカは、教えを信じて命を捨てた!!
ジェクトは、ブラスカを信じて、犠牲になった!!
アヤは、ブラスカのナギ節が、永遠であることを願っていた!!』
『信じているから、生きていける。
信じていたから、自ら、死んで逝けたのですよ』
『ああああああっっ!!!!』
アーロンは雄叫びを上げ、太刀を振りかぶり、ユウナレスカに猛然と斬りかかった。
ユウナレスカは、アーロンの突進に少しも動じずに、腕を振り上げる。
彼女の放った赤い光が、アーロンの顔面を斬り裂いた。
アーロンは、その光に呆気なく弾き飛ばされる。
血を撒き散らしながら宙を舞ったアーロンの身体は、床に叩きつけられた。
太刀は掌を離れ、アーロンの後を追い、宙を舞う。
鮮血が、床に広がる。
そこへ、太刀が床で弾かれて真っ二つに折れた。
俯せに倒れたアーロンは、動かないまま消えていった。
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