35話 冒涜
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「オヤジたちと一緒だ。ナギ節つくって、そんだけだ。
それじゃあ、復活しちゃうだろ!!」
「あのなあ、シンを倒してユウナも死なせねえ。
そんで、シンの復活も止めたいってか?
全部叶えば、最高だけどよ!!」
撒くし立てるティーダを、ワッカは憮然と見ていたが、たまらずに言い返した。
机上の空論を言ってばかりでは、それこそ、何も変わらないのではないか。
「欲張り過ぎたら、全部、失敗するわ」
「嫌だ。欲張る」
ルールーが静かに諭すが、ティーダは訊く耳を持たない。
我が儘を言う子どものようなティーダに、ワッカは思わず怒鳴った。
「青臭いこと言うなよ!」
「青くてもいい。オトナぶってカッコつけてさ。
言いたいこと言えないなんて、絶対やだ。
そんなんじゃ、何も変えられない。
俺、この青さはなくさない。あぁ、どうすりゃいいかなんて、わかんないよ。
でも、十年前のアーロンが言ったこと、俺も信じるっス」
リュックが、アーロンの希望を反芻する。
「無限のーー可能性?」
その言葉を口にするリュックには、この旅の、アーロンの真意が充分伝わっているようだった。
「うん。俺、行ってくる。ユウナレスカに、話し訊く」
「訊いたら、何とかなるのかなあ?」
希望は、最後まで棄てたくない。
それがどんなに、微かな望みでも。
「さあな、わかんないけど」
ーーこれは おまえの物語だーー
「俺の物語。くだらない物語だったら、ここで終わらせてやる!!」
黙っていたユウナが、口を開いた。
「待って。ねえ、私にとっては、私の物語なんだよ」
死ぬのは、私だけだと思っていた。
でも、このまま、唯々諾々と祈り子を決めて、シンを倒してもーー私の物語は
「振り回されちゃダメ。ゆらゆら揺れて、流されちゃダメ。
どんな結末だって、きっと後悔する。そんなのーーいやだ」
ユウナは、ユウナレスカが待つ、摩天を見上げる。
「だから、ユウナレスカ様の話しを訊いたら」
祈り子になると言ったアヤ
護ってくれた キマリ ワッカ ルールー
自分の為に泣いてくれた リュック
ここまで導いてくれた アーロンに
「私、自分で決めます!」
ユウナは、毅然と告げた。
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