35話 冒涜
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究極召喚獣は、召喚士ともっとも強い絆で結ばれた召喚獣。
それ故に、シンを倒せる力を持つ。
寺院の祈り子から借り受けた絆では、太刀打ち出来る筈もなく。
「だから・・殺したんですね。アヤさん」
アヤは、それには何も答えなかった。
あの時の自分たちの力では、到底アニマを倒せなかったであろう。
だからアヤは、銃を使ってまで、シーモアを。
その結果、罪に問われ、ガードを降りることを厭わずに。
「ねえ、変なこと言ってなかった?母さんがどうとかって・・」
リュックが首を傾げると、遮るようにアーロンが声を掛ける。
「行くぞ」
「あっ、待ってよ!」
慌てて後を追った。
シーモアの幻影をすり抜け、ドームの奥へ急ぐ。
「あーー」
自分たちを追い抜く、四人の影。
ティーダは、思わず立ち止まった。
『なあブラスカ。やめてもいいんだぞ』
『気持ちだけ、受け取っておこう』
『わーったよ。もう、言わねえよ』
『いや、俺は何度でも言います。ブラスカ様、帰りましょう!
俺は、貴方が死ぬのはーー嫌だ』
『アーロン、まだそんなことを・・』
『アーロン。君も、覚悟していた筈じゃないか』
『あの時はーーどうかしていました』
『私の為に、悲しんでくれるのは嬉しいがーー
私は、悲しみを消しに行くのだ。シンを倒し、スピラを覆う悲しみを消しにね。わかってくれ、アーロン』
十年前の、オヤジたち。
ユウナの親父さんを止めるオヤジと
究極召喚を望むアヤ
ユウナを失いたくない俺と
ブラスカを失いたくないアーロン
今の俺と、一緒だ
ドーム最深部の、回廊に行き着いた。
この奥に、ユウナレスカがーーいる。
祈り子の間の前に立つユウナの横顔を、アーロンは見つめる。
ピンと張り詰めた空気の中、ゆっくり口を開いた。
「ユウナーー着いたぞ」
「究極召喚・・ですね」
ユウナはアーロンと向き合い、その瞳を真っ直ぐ見つめた。
緊張に震える瞳に、アーロンは言った。
「行け」
「はい」
一礼すると、ユウナは祈り子の間へ入っていく。。
ーーいよいよなんだーー
独りになると、全身の震えがとまらなくなった。
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