35話 冒涜
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【究極召喚は
暮れゆく夕陽の中。
焚き火を囲み、ティーダはスピラにたどり着いた時からの事柄を語った。
いつしか辺りは闇に覆われ、最後の平穏な時が終わろうとしていた。
「なあ、もっと色々あったよな?あの時とかさーー誰か、何かない?」
必死に話題を求めるが、誰も口を開かない。
語るべきことはつき、沈黙が訪れる。
「あのね」
「何?」
ティーダの期待に満ちた目に、ユウナは微笑み、しかし、きっぱりと告げる。
「思い出話はもう、おしまい」
それを合図に、皆は立ち上がった。
そして地面に突き刺した、それぞれの武器を手にする。
最後に武器を手に取ったティーダに、ユウナは言った。
「行こう」
ーーザナルカンドへーー
そこから見えるザナルカンドは、まるで明かりが灯っているように、光が瞬いていた。
夥しい幻光虫が集まり、星の河となって流れ込んでいる。
しかし、幻光河の神秘的な光と違い、禍々しさを感じた。
「異界、みたいだな」
ワッカの呟きに、アーロンが答える。
「似たようなものだ」
ティーダは、やっと道の形を保っている、遺跡の残骸を見つめていた。
「見覚えないか?」
「え?」
「この道だ。見覚えがあるんじゃないのか?」
アーロンに言われ、改めて見直す。
「あっーー!」
ティーダはハッとした。
「この道が、どうかしたの?」
アヤが不思議な顔で尋ねた。
「この道で、初めてシンのコケラと戦ったんだ。アーロンと一緒に」
「あなたのーーザナルカンドで?」
「うん」
アヤの問い掛けに、ティーダは頷いた。
ほんの、数ヶ月前のことなのに、昔の事のように思えた。
そう、まるで千年前の出来事ように。
朽ち果てた建物に、辿り着いた。
「ここがエボン・ドームの入り口だ」
「スタジアムじゃないんだな」
ハイウェイの先は、ブリッツのスタジアムだった。
かろうじて、入り口となっている扉だったであろう場所に、奇妙な年老いた僧官が立っていた。
一行が近づくと、徐に口を開く。
「長き旅路を歩む者よ。名乗りなさい」
「召喚士ユウナです」
「顔をーーそなたが歩いて来た道を、見せなさい」
ユウナの瞳を覗き込むと、満足そうに頷いた。
「宜しい。大いに励んだようだな。ユウナレスカ様も、そなたを歓迎するであろう。
ガ-ド衆共々、ユウナレスカ様の身元へ向かうがよい」
「ーーはい」
ユウナは、緊張の面持ちで頷いた。
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