34話 恋慕文
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「来る!」
洞窟を抜けた途端、アーロンが叫んだ。
夕暮れの空を、銀色に輝く竜が飛来する。
「ガーディアン。これが、あの女の試練よ」
アヤが、吐き捨てるように言う。
ガーディアンは、巨大な尾を揺らしながら、アーロンと対峙した。
隣りに立つキマリも、槍を構える。
そこへ、ルールーが走って来る。
「アーロンさん、私がいきます」
太刀を構えるアーロンに、ルールーが告げる。
無言でルールーの顔を見つめたアーロンは、唇の端を上げた。
「援護する」
「はい!!」
ルールーが後方に下がると、アーロンは叫んだ。
「ティーダ!キマリ!ワッカ!奴の注意を惹きつける!」
「「おうっ!」」
「わかった!」
「アヤ!リュック!ユウナを!」
後ろにいる三人を、一瞥する。
「はい!」
「任せて!」
胸の前で、祈るように指を絡ませているユウナに、大丈夫だとアーロンの眼は語った。
目の前に立ちふさがる四人を、ガーディアンは鋭い爪で切り裂こうと、前足を横に振る。
それを交わしながら、攻撃を開始した。
「おおりゃああっっ!」
ワッカのブリッツ・ボールが、土煙を巻き上げ、翔け抜ける。
ガーディアンは、前足でそれをはじいた。
「はあああっっ!!」
キマリの槍がガーディアンの首に刺さると、ティーダはその周りを素早く移動し、何度も斬りつける。
動き廻るティーダを狙い、ガーディアンは体躯をひねり、長い尾を鞭のごとくしならせた。
首に槍を刺していたキマリが、振り払われる。
「ぬうっ!!」
「キマリ!」
それに気をとられたティーダに、ガーディアンの尾が迫る。
「うわあっ!」
「ふんっ!」
思わず目を閉じたティーダの前に、朱い背中が立ち塞がった。
太刀で尾を止められたガーディアンは、背中からエネルギー弾を発射した。
それが、雨のように降り注ぐ。
「アーロンさん!!」
横から、ワッカが自分の体を盾にして、アーロンとティーダを突き飛ばした。
自身も転がり、ガーディアンの攻撃を避ける。
その時、辺りが暗闇に包まれた。
ルールーの放ったアルテマだ。
暗闇の中で閃光がはじけ、カーディアンの体が衝撃に揺れる。
足を折り、崩れ落ちたカーディアンは、幻光虫に変わっていった。
「見事だ。ルールー」
アーロンの賞賛に、ルールーは妖艶に微笑んだ。
.
