33話 真実
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「おまえーー」
「ベベルで会ったよ。覚える?」
部屋の隅で、膝を抱えている少年が顔を上げた。
確かーー『祈り子の間』にいた
「あ、あぁ・・」
「けど、あれが最初じゃないよね君のこと、前から知ってる。ずっと、ずうっと昔から」
体の周りに幻光虫を漂わせ、少年は、はっきりと言った。
何故だろう
「俺も・・知っているような気がする。ここは?」
ティーダは改めて、家の中を見渡す。
「変なこと言うなぁ。君の家だろ」
「どうしちまったんだよ!おい!?」
背後から聞こえた声に、ティーダは驚く。
振り向けば、ワッカの姿があった。
一瞬ののちに、それが消えると、今度はリュックが現れる。
「ねえ、起きてってば~!」
また、消えた。
二人の周りに漂う幻光虫。
この、現実味のない街の景色。
ティーダは、少年に向き直った。
「もしかしてーー全部、夢だろ」
「あたり!」
「マジかよ!?ざけんなっての!
夢なんか、みてるヒマないんだからさぁ」
立ち上がった少年は、首を振り、ティーダの言葉を悲しく否定する。
「違うよ。キミは夢をみているんじゃない。キミが夢なんだ」
ティーダは目を見開いて、少年を見つめた。
俺が 夢?
そう言うと、少年は家を出た。
ティーダは、戸惑いながらも、後を追った。
「おい、どこにいっーー」
少年の姿を探して、キョロキョロと辺りを見渡していると、デッキで佇んでいた。
階段を昇り近づくと、暗い空を見上げていた。
まるで、黒いカーテンを引いたような、何もない夜空を。
「昔、大きな戦争があった」
少年の話しに、ティーダは記憶の糸をたぐる。
「あぁ、機械の?」
「うん。ザナルカンドとベベルが戦ったんだ。始めから、勝負はついてた」
「何で?」
「ベベルの軍隊は、みんな機械でーーザナルカンドの召喚士たちは、バタバタやられていった」
その言葉に、ティーダはハッとする。
「ちょっと待てよ。機械を使ったのは、ザナルカンドだろ?ザナルカンドの召喚士ってーー」
「エボンの教えは、真実を伝えていない。なぜそうなったのか、僕たちもわからないんだ」
少年はデッキの手すりに近づくと、煌々と灯る街の明かりを見つめた。
「機械の武器は、とても強くて。ザナルカンドは、滅びるしかなかったんだ。
だから、姿だけでも、残そうとしたんだよ」
ティーダはかがむと、少年の顔を覗き込んだ。
「何ーーしたんだよ・・?」
その時のことを思い出したのか、苦し気に顔を歪める。
「生き残った召喚士と、それと街の人たちみんな・・祈り子になったんだ。召喚する為にさ」
「召喚ーーって」
まさか
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