33話 真実
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立ち止まり、黙り込むアーロンと、俯くアヤ。
何かを知っているであろうティーダに、ユウナは走り寄った。
「お願いーー教えて」
ユウナの懇願に、これ以上隠して置けなくなったティーダが、消え入りそうな声で呟いた。
「・・シン、オヤジなんだ」
「なんだそりゃ!?」
突然の告白に、ワッカの声に僅かな憎しみがこもる。
ティーダは、それを肌で感じ取った。
「シンは、俺のオヤジだ。オヤジが、シンになったんだ。
理屈とか、そういうの、よくわからない。でも俺・・感じた。
シンの中には、オヤジがいる。
オヤジが、スピラを苦しめてるんだーーごめん」
苦し気に白い息を吐くティーダを、ルールーは痛ましそうに見ていた。
「父親とーー戦える?」
限りなく優しい声に、ティーダは感謝の目を向ける。
そして、微かに震える声で言った。
「大丈夫。やるよ、俺」
じっと考えていたワッカは、躊躇いがちに口を開いた。
「なあ、その話しよぉ・・シンの毒気にやられて、夢を見たーーワケじゃねえよなぁ・・」
「おぅ・・」
「んじゃ、チャップは・・」
ティーダは、ワッカの顔を見ることが出来なかった。
助けて貰った恩人の、今や親友と呼べる仲のワッカの弟を殺したのはーー
ーー俺のオヤジなんだーー
「俺、何も聞いてねえことにしとくわ」
無理におどけて、ワッカはティーダから離れた。
そうしないと、彼に怒りをぶつけてしまうかもしれない。
それを危惧した。
ユウナは、アーロンとアヤを見据えた。
「アーロンさんとアヤさんは、どうしてジェクトさんがシンになったのか、知っているんですか?」
「・・・」
アヤは、ユウナと視線を合わせたが、何も言えなかった。
それは、アーロンも同じだった。
「知っているんですね」
すがる瞳に、アヤが辛うじて答えた。
「ーー知ってるわ。でも今は・・言えない」
「ザナルカンドへ行けば、わかる」
二人の哀しい瞳を見ていたユウナは、俯いているティーダに言った。
「ごめん・・たとえ、シンがジェクトさんでもーー『シン』が『シン』である限り、私ーー」
ティーダは頷いた。
「わかってる。倒そう。オヤジも、それを望んでいる」
アイツの望み
アイツの『夢』に 終わりを託すこと
それは 俺も同じ
ザナルカンドから旅立った時からの
ーー願いーー
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