32話 戦場
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翌朝、日の出と共に洞穴を出る。
雪の上に伸びる蒼い影を見ながら、また、ガガゼト山を登った。
陽が落ちる頃まで登ると、また洞穴がある。
「ここは、おいそれと野宿出来る所じゃない。
必然的に、ここを登る者は、同じ洞穴で夜を明かすことになる」
「じゃあ、十年前もここで?」
自分を見上げるユウナに、アーロンは視線を落とす。
「あぁ・・そうだ」
同じように、雪に突き刺さっている剣やロッドを見る。
「じゃあ、陽が落ちるまでに、洞穴にたどり着けなかったら?どうなるッスか?」
「魔物に襲われ、おまけにこの寒さだ。死ぬだろうな」
この剣やロッドは、千年の間ザナルカンドを目指した、召喚士やガードの墓標なのだ。
「この山で命を落とした召喚士は、異界送りされないのよ」
夕べと同じ、洞穴の中で火を熾す。
今夜はすぐには眠らずに、火を囲んでいた。
「何でーー」
思わず呟いたティーダに、アヤは
「別の召喚士がいないと、誰も送れないでしょう?」
「ってことは・・」
ワッカが、炎に手をかざしながらアヤを見る。
「魔物になってーーこの辺りにいても、おかしくない」
「ここまで来て倒れるのは、さぞかし無念だったでしょうね・・」
ルールーは、心当たりでもあるのか、暗い眼で呟いた。
ティーダは、ジェクトのことを考えていた。
オヤジーーどうしてシンになったんだろう
スピラを護りたかったんだろ?
みんなを、殺したいわけじゃないよな?
俺、あんたのことキライだったけど・・
それだけは、信じてるから
たとえシンでもーー信じてるから
明日、この峠を越えて、洞窟を抜ければ、そこはもうーー
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