32話 戦場
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【思わぬ刺客】
グアドの追ってを破り、俺たちは、ナギ平原を後にした。
ユウナは、立ち止まるとナギ平原を振り返り、じっと見ていた。
今までも時々・・あんな顔で、風景を見てた。
その意味 やっとわかったよ
通り過ぎる景色に お別れをしてたんだよな
見つめている俺に気づくと、ユウナは笑顔を見せた。
そのまま歩いてくると、すれ違い様に俺の指を軽く握った。
誰にも、わからないように。
なだらかな坂を登る。
もう少し進めば、山道になるのだろう。
その時、ティーダが脇道を見つけた。
その道に気をとられていると、ルールーの声がした。
「それ・・谷底へ降りる道よ」
「へ~そうなんだ」
「よく知ってんな」
ナギ平原から先へは、行ったことがないと言っていたのに。
ワッカは不思議そうな顔で、ルールーを見る。
その視線を避けるように、俯きがちにルールーは歩く。
しばらく、その横顔を見つめていたワッカは
「あーー」
何かを思い出したように、短い声を上げた。
「どうしたっスか?ワッカ」
ワッカの声が耳に入ったティーダが訊ねたが
「いや、何でもねえ」
そう言うと、足を早めた。
ティーダは、ふ~んと言ったきり、前を向く。
ルールーは、ワッカの顔をチラリと盗み見た。
いつの間にか、山道になっていた。
黙々と歩を進める中、先頭を歩いているキマリが、立ち止まった。
「あの
それをくぐれば、エボンの聖なる山、ガガゼト山だ」
間近に聳え立つガガゼト山を、皆は見上げた。
「首、痛くなってくんな」
見上げながら、ワッカがぼやいた。
「この向こうが、ザナルカンドか・・」
「あぁ・・お前の故郷だ」
「信じてないくせに」
ティーダは、沈んだ声で呟いた。
「今は違うさ。そりゃあ、山の向こうにあるのは遺跡かも知れねえ。
けど、それとは別に、お前のザナルカンドがどっかにある。きっと、な。
な~に、そのうち帰れるって」
「だとーーいいな」
ガガゼト山が近づくにつれ、俺は勢いを無くしていく。
まるで、自分の言った言葉に、押し潰されていくように。
何とかする ぜったい 何とかする
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