31話 ナギ平原の夜
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谷底から現れた巨大な石の兵器に、アヤは驚きの余り叫んだ。
「護法戦機!どうしてこれをグアド族が!?」
「アヤ!そんなことは後だ!来るぞ!!」
人型に造られている護法戦機は、巨大な拳をユウナに向けて打ち込んだ。
とっさにユウナの前に出たキマリは、身体を庇いつつも、それをもろに喰らった。
「ぬうっ!!」
「キマリ!」
弾き飛ばされたキマリに、ユウナが悲鳴を上げて駆け寄った。
「野郎~」
「いくぞ!!ティーダ!!」
剣を構え直したティーダに、ワッカが合図する。
護法戦機は両腕を振り回しながら、二人に向かって歩いて来る。
その足元に、ルールーのサンダガを纏ったブリッツ・ボールが命中した。
巨大さが災いしてか、バランスを崩しよろめいたところに、ティーダが斬りかかる。
護法戦機の身体を足場に、肩まで駆け上がると、片腕を斬り落とした。
その勢いで蹴ると、護法戦機は仰向けに倒れる。
「リュック!今だ!」
「任せて!!」
ティーダの合図に、今度はリュックが、手にしている爆弾を投げる。
以前より、数倍威力を増した手榴弾だ。
爆発が何度も起こり、護法戦機はバラバラに砕けた。
爆風が止むと、アヤはアーロンに向かって言った。
「出る幕が、なかったわね」
満面の笑みで手を合わせる彼らに、アーロンは口の端を上げて目を細めた。
「キマリ!大丈夫!?」
ルールーが駆け寄ると、キマリは立ち上がった。
「平気だ。キマリの躯は頑丈。心配は要らない」
「アヤ、今の兵器はなんだ?」
逃げていくグアド族を目で追いながら、アーロンは怪訝な顔をする。
「あれは、討伐隊の作戦に使われる兵器よ。僧兵軍の管轄だから、グアド族が持ち出せる筈はないんだけど・・」
「奴が、暴走しているのだろう」
ハッとして、アーロンを見上げる。
「キノックが死に、ケルク・ロンゾが老師の任を辞した今。
奴に、歯止めを掛ける者はいないのだろう」
アヤは、今し方、渡った橋を振り返った。
暗く口を開く、谷が目に入る。
「スピラは、どうなるのかしら・・」
「ーーわからん」
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