31話 ナギ平原の夜
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それから三日間掛かって、ナギ平原を抜けた。
ナギ平原も終わりに近づくと、大きな谷があった。
その谷沿いに歩き、橋を渡ればナギ平原が終わる。
ポッカリと地の底にあいた暗闇に、ティーダは目を見張る。
「この谷はねーー」
驚いているティーダに、アヤが説明しようとした時
「また、お会いしましたな」
突然聞こえた声に、皆は振り返った。
「じいさん!」
「メイチェンさん」
「ほっほっほ、お久しぶりですな。ユウナ様」
「はい。メイチェンさんも、お元気そうで」
ユウナは微笑んで、軽く頭を下げる。
それを、メイチェンは嬉しそうに見た。
「この谷について、語っても宜しいですかな?」
一同は苦笑いをしたが、ティーダが諦め顔で言った。
「お願いします」
メイチェンは、破顔した。
「この谷は、シンの爪痕です」
「シンの!?」
メイチェンは谷底を覗き込んだまま、頷いた。
「千年前、大召喚士様に追い詰められたシンが、最後の力で大地を引き裂いた。
傷ついた大召喚士とシンは、谷底で相討ちとなり、初めて、ナギ節が訪れたのです」
メイチェンの語りに、それぞれの頭の中で、千年前の戦いが繰り広げられているのだろうか。
皆は、しばし沈黙した。
「ザナルカンドへ、向かわれるのですな」
「はい」
メイチェンの問いに、ユウナは彼の目を真っ直ぐ見て、頷いた。
「道中、お気をつけて」
深く
メイチェンと別れ、谷に掛けられた橋までたどり着いた。
木造の粗末な橋を渡り、ナギ平原を抜けた。
「止まれ!」
橋を渡ると、二人のグアド族が立ちはだかった。
「シーモア様がお呼びだ。伴に来て貰おう」
グアド族の命令に、ユウナは毅然と言った。
「シーモア老師と、話すことなどありません!」
その言葉に、ユウナを護るベくティーダとワッカ、キマリが前に出る。
リュックも、ユウナのそばに着いた。
「ちゅうわけだ。どけよ」
「シーモア様の命令は、絶対。必ず、お連れする。シーモア様は仰られた。『死体でも構わぬ』とな」
その時、谷底から地響きが聞こえてきた。
近づく度に、地面が大きく揺れ動く。
ティーダは剣を構えた。
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