31話 ナギ平原の夜
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「本格的に、反逆者だね」
ズークの姿が見えなくなると、ユウナが小さな声で呟いた。
「言いたいヤツには、言わせておけって」
「大丈夫、気にしてないから」
努めて明るく振る舞うが、ティーダに見つめられて、ポロリと弱音を零す。
「やっぱりーー少し、きついかな。割り切るのは、難しいね」
「無理に割り切ろうとしないでさ、キツけりゃグチっちゃえよ」
「愚痴、かあ。その内、言っちゃうかも」
「うん」
笑顔で頷くティーダに、ユウナは内心ホッとする。
辛い事は、彼と分け合って半分になる。
父さんも、そうだったの?
アーロンさんやアヤさんや、ジェクトさんと、苦しい事や辛い事・・分け合ったのかな
「父さんも・・この平原で迷ったのかな」
「かもよ。俺のオヤジと一緒にさあ」
半分茶化しながら、ティーダは、頭の後ろで指を組む。
ジェクトの悩む姿など、想像つかない。
「アーロンさんに、聞いてみようか?」
ユウナがアーロンに目をやると
「あのおっさん、そういうこと話さないんじゃないか?」
横目で見ながら、皮肉を言った。
「『他人には、関係ない』とか言って?」
わざとらしく声を低くして、ユウナがアーロンの口真似をすると、ティーダが楽しそうに笑う。
「そういう割に、自分は他人を巻き込むんだよな」
ユウナとティーダが、談笑している様子を見ていたアーロンは、眉をひそめた。
「どうかした?アーロン」
「いやーー何でもない」
「荒れるわねーー」
ズークが去った平原を見つめて、アヤはスピラの行く末を思う。
「あぁ。シーモアとマイカの利害は、一致していない。
最後に会ったシーモアの言葉・・マイカが認めるとは思えん」
死による、安寧を実現しようとするシーモアと
究極召喚による、現状の持続を望むマイカ。
相容れないのは、誰の眼にも明らかだ。
「・・うん」
「エボンが揺れれば、スピラも揺れる」
アヤは、両手をきつく、握りしめた。
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