31話 ナギ平原の夜
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次の日から、特訓が始まった。
ティーダは剣捌きと、確実にダメージを与えられるようにすること。
ワッカは、遠距離からの命中率の強化。
リュックは、新しいアイテムの組み合わせの発見。
ルールーは、アルテマの修得。
ユウナも召喚獣に頼り過ぎないように、ダメージを与えることの出来る、フレアの修得を目指す。
ユウナとルールーは、アヤが。
ティーダとワッカは、アーロンにしごかれた。
初日が終わり、旅行公司に戻った時は、みんなクタクタだった。
「食事当番、誰ッスか?」
「ユウナとアーロンさんよ」
疲れて床に大の字になっているティーダが、それを聞いてがっかりした顔をする。
「アーロンーー料理出来ないのに・・」
「おまえが作ってたのか?」
同じく隣りに座って、疲れを隠せないワッカが、目だけでティーダを見る。
「うん。『調理器具の使い方がわからん』とか言って」
アーロンの口真似をするティーダに、アヤは笑った。
その声に、ティーダは身体を起こす。
「アヤ~。アーロン、俺をしごくの、楽しんでないッスか?」
「あ~、俺も思った」
その言葉に、キマリも二人を見る。
「楽しいんじゃない?」
ニッコリ微笑んだアヤに、ティーダは
「やっぱり・・」
と、肩を落としてうなだれた。
「ザナルカンドって、魔物は現れるの?」
アヤの問いに、ティーダは首を振る。
「じゃあ、アーロンが、ザナルカンドで教えることは、何もなかったでしょうね。
あの人は、闘う術しか知らないから」
淋し気な物言いに、リュックも、アヤの横顔を見つめる。
「幼いあなたをずっと見守ってくれば、きっと、父親みたいな感情は湧くと思うの。
ユウナに対しても、そうだけどーー
でも、ジェクトみたいに、ブリッツが出来るわけじゃないし。
だから、嬉しいんじゃないかな。
今、あなたに教える事があるっていうのが」
「お待たせしました~!」
しんみりした空気の中に、ユウナの明るい声が響いた。
香ばしい匂いが漂い、大皿に盛られた料理に、リュックが歓声を上げる。
「うわあ~!すご~い!!」
「おお~!ユウナ、いつの間にこんなの作れるようになったんだ!?」
「ほんと」
ワッカとルールーが、目を丸くする。
「えへへ、アーロンさんが作ったんだよ」
ユウナはテーブルの上に、皿を並べていく。
「アーロンが!?」
「あ~、私、実はアーロンに料理教わってたの」
「ええっっ!?」
アヤの告白に、驚愕の声がほとばしる。
「何だ、不満があるなら喰わんでもいいぞ」
現れたアーロンに、慌ててテーブルの回りに集まる。
「いただきます!いただきます!」
「文句なんかありません!」
ティーダとワッカが口をつける。
「「うまい!!!」」
口を揃える二人に、リュックやルールーも箸をつける。
「ほんとだ!」
「アーロンさんが、料理上手だなんて」
ルールーの洩らした言葉に、アーロンは密かにほくそ笑んだ。
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