31話 ナギ平原の夜
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陽が落ちる頃、ナギ平原の旅行公司にたどり着いた。
ほったて小屋というか、大きなテントのようだった。
瑣末な造りに、ティーダはあからさまに落胆する。
「ここは、魔物が多過ぎて人が置けないって、リンが言ってたよ」
「リンって?」
「雷平原の旅行公司で、会ったでしょ?」
リュックは、ティーダを見上げる。
「あぁーー」
金髪の、彫りの深い顔立ちの男を思い出す。確か、リュックと同じ、アルベド族。
「リンは、魔物に何度壊されても、ここに旅行公司を造るのよ」
「どうしてですか?」
アヤの説明に、ルールーも疑問を挿む。
「ここは、ザナルカンドに向かう召喚士が、最後の休息をする場所だから」
「あ・・」
ビーカネル砂漠のアルベド族のホームで、召喚士を守って命を落とした彼らを、思い出す。
永久の平和を願う気持ちは、同じ。
旅行公司の中は、部屋の仕切りがない広間になっていた。
向かって右側の壁の向こうに炊事場があり、反対側には、手洗いとシャワーがある筈だ。
皆は、荷物を解いた。
「あれ、リュックは?」
リュックの姿が見えない事に気づき、ユウナはきょろきょろと見渡した。
「あいつなら、まだ外にいるぞ」
胡坐をかいて荷物を出しているワッカが、入り口を指差す。
「どうしたのかな・・」
立ち上がろうとしたユウナを、ティーダが手で止める。
「ユウナ、俺、いってくる」
「でも」
「大丈夫。任せるっス」
「・・うん」
少し強引にユウナを説き伏せると、ティーダは表に出て行った。
「もう、止められないのかな」
俯いているリュックに近づくと、消え入りそうな声で呟いた。
「ユウナ、決めちゃってるからな」
「でもさ、ほっとけないよ」
「ほっとかないって。究極召喚を使っても、ユウナが無事なようにする」
「どうやって?」
眉を潜めて、翠の紋様がティーダを見つめる。
その潤んで宝石のような瞳から、ティーダは目を逸らし、頭の後ろに片手を当てて考え込む。
「う~んーーその方法を考える」
「でも、考えつかなかったら?」
「もう、リュックとは話さない。でもでもって、煩い」
少しイラついて腕を組むと、リュックに顔を近づけた。
「ごめん・・」
しょんぼり俯く小さな肩に、ティーダはそっと手を置く。
「一緒に考えようよ。でさ、もし何も考えつかなくても・・なんとかしよう」
その言葉に、リュックはようやく元気を取り戻す。
「うん!!」
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