31話 ナギ平原の夜
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草を踏みながら、感心したようにティーダが言う。
「ほんとに広い平原だなーー」
「ここは、かつて戦場だったの。
ベベルとザナルカンドが争った機械戦争で、何もない野原になった。
そして、この無人の土地に召喚士たちが目をつけた。
究極召喚を手に入れた召喚士は、ここでシンを待った。ブラスカも・・・」
後ろから聞こえたアヤの声に、ワッカが彼方を見て呟いた。
「どんな気持ちで、待ってたんだろうなーー」
しばし、ブラスカや歴代の大召喚士に、想いを馳せる。
「だから、ここはナギ平原なの?」
「そうだ。誰が呼ぶともなく、自然についた名だと聞く」
リュックの問いに、キマリが答える。
ティーダは、後ろを振り返り
「アヤ、よく知ってんな」
感心され、アヤは笑った。
「メイチェンさんに聞いたのよ。ティーダも、語って貰ったら?」
「・・・遠慮しときます。長そうだしーー」
ティーダは聴く前から、うんざりした顔をした。
「ところで・・アヤ」
アーロンは立ち止まると、改まった顔でアヤを呼ぶ。
「ーー何?」
アヤが返事をすると、皆も何事かと、アーロンを注目する。
アヤをじっと見つめながら、アーロンは徐に口を開いた。
「おまえ、この平原を抜けるまでーー黒魔法を使うな」
「ええっっ!!」
アヤだけでなく、キマリを除く全員が驚きの声を上げる。
同じ黒魔法の使い手であるルールーが、アーロンに抗議しようとする。
「アーロンさーー」
「どうしてよ!アーロン!!」
ルールーを遮り、アヤが猛然と抗議した。
「どうしてだと?ここはナギ平原だぞ!!」
「だから何よ!?」
「おまえ、忘れたのか!?コイツらは兎も角ーー」
アーロンは、ティーダとワッカを指差す。
「ユウナに万が一の事があったらどうする!!」
「だから!!何でーー」
言い終わらない内に、アヤの表情が固まった。
「アヤーーさ、ん?」
理由がわからずに二人を見ていた皆は、背後から漂ってきた異臭に、顔を歪める。
「何!?この臭い!?」
リュックが耐えきれずに、鼻を摘む。
「遅かったか・・」
アーロンが、顔をひきつらせて呟いた。
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