30話 聖なる泉
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「寺院の、私に対する態度が一変した。大召喚士ブラスカのガードを務め上げたって、祭り上げられて。それがーー辛かった」
喋り疲れたのか、アヤは少しの間、口を閉じる。アーロンは、アヤの髪を梳くように頭を撫でた。
それに励まされ、アヤは続けた。
「ユウナが、ビサイド島へ向かったことは、すぐにわかった。
後を追うつもりだった。だけど、時間が経つにつれて・・怖くなった。
ユウナに、責められるんじゃないかっーーて」
そんな時に、シーモアと再会したの
「優しく誘われて・・不安だった心が、拒むことを許してくれなかった。
彼と逢瀬を重ねることで、現実から逃げていた。
シーモアは、自分の為に母親が命を落としたことに、負い目を感じていた。
私は、あなたがいない淋しさを。
それを、お互いで埋めようとしてた。でも、埋まる筈はなかった。
だって、淋しさのカタチが違うのだもの」
そう気づいた時、シーモアの瞳の奥の暗闇が視えた。
私が、ブラスカの死を望んだように。
この人も、誰かの死を望んでいる
「シーモアは、私が召喚士になることを望んでいた」
・・・・・・・・・・
「おまえなら自分を選ぶーーそう、思ったのだろう」
シーモアの、自信に溢れる態度を思い返す。
「それ以来、私はシーモアから離れていった。
それまでも、キノックに命令されて討伐隊に参加してたけどーー自分から積極的に参加するようになった。
ジェクトにもーー会えるしね」
アヤの思惑に、アーロンは苦笑いする。
僅かな嫉妬を込めて、言った。
「あいつはーー喜ばなかっただろう」
アーロンの胸のうちが伝わったのか、アヤは腕に力を込めた。
「多分・・ね」
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