4話 青天
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外に出ると、村人が集まっていた。
村人が作る円の中心に、さっきの少女がいた。
「いいぞ」
ワッカが声をかけると、手にしたロッドを高く掲げた。
大空から羽ばたきが聞こえ、巨大な鳥が舞い降りた。
「なに?あれ」
「召喚獣だ。あれが出来て一人前だな」
それは、圧倒的な光景だった。
少し怖かったけど、なんていうか、不思議な優しさが伝わって来た。
夜は、彼女が召喚士になったことを、村人全員が祝った。
暗い闇に暖かく燃える焔のそばで、はじめて話をした。
「ユウナです。さっきは、ありがとうございました」
「俺、ティーダっス。あ、助けにいったこと?でもさ、アレまずかったんだろ?余計なことしちゃったよな」
「いいの、私が未熟だったから」
「あのさ、召喚獣みたぞ。スゴかった」
子どもみたいに興奮して言うと、ユウナは嬉しそうに微笑んだ。
「明日は、同じ船で出発だね」
「あ、そうなの?」
「ザナルカンドのこと、聞かせてね」
手を振りながら離れて行った。
見送っていると、後ろからワッカに小突かれた。
「かわいいだろ、でも、好きになるなよ」
「そんなの約束出来ないね。向こうが、俺のこと好きになったらどうするよ!」
強気で言うティーダに、ワッカは悲しそうに言った。
「そんなことには、ならない」
断言されて、ティーダは黙ってしまった。
ワッカは慰めるように、肩を叩いた。
「眠くなったら俺に言え。明日は早いぞ」
討伐隊の宿舎で眠っていると、話し声で目が覚めた。
入り口の隙間から、ワッカとルール-の姿が見えた。
「あのこがチャップに似てるのは認める。でも、どれだけ似てたって、チャップの代わりにはならない」
「でもさぁ、あいつ困ってたし」
「だって?でも?聞き飽きたわ」
踵を返すと、足早に歩いて行った。
ワッカは追いかけようとしたが、追いついても言う言葉がないことにうなだれた。
「こっえ~~」
ティーダが見ていたことに気付き、宿舎に入って来た。
「で、チャップって?」
空いているベッドに座って、向かい合った。
「俺の弟だ。おまえに似ててな。去年、死んだ。討伐隊に参加してて、シンにやられた」
「そうか・・」
「大会が終わったら、ガードに専念する。
全く、ブリッツとガードとどっちが大事だっつんだよな。
そのためにおまえを利用してるみたいで・・悪い」
「気にすんなよ、俺だってあんたに頼りっぱなしだ。あんたに会えてホントに助かってる。色々・・ありがとな、ワッカ」
手を差し出したティーダに、ワッカは大いに照れた。
「照れるからやめれ~」
そう言いつつ、手を握り返してくれた。
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