29話 対峙
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立ち昇る幻光虫の光の中で、シーモアは笑っている。
「アヤ!もう一回アルテマだ!」
ティーダの声に、アヤは頷いた。
その時、アルテマを放とうとするアヤを、アーロンの腕が遮る。
「アーロン?」
訝し気に見上げるアヤを、アーロンは肩ごし見やった。
何事かを語る瞳に、アヤは黙って頷いた。
「ふーーすまんな」
アヤが後退すると、太刀を肩にのせ、アーロンはシーモアの前に立ち塞がった。
「おまえが虫螻のように殺したキノックはーーあれでも、昔の友でな」
斜に構えると、太刀を両手で握りしめる。
「敵はとらせてもらう」
「フッ、あんな男の?あなたもいい加減、お人好しですね」
馬鹿馬鹿しいと、シーモアは鼻で笑った。
「利いた風な口を利くな」
アーロンの静かに燃える怒りを、シーモアは片手であしらう。
「そんなモノで、私を斬れるとでも?」
「斬り捨ててやるさ」
「アーロ・・」
叫ぼうとしたティーダを、キマリが制した。
「キマリ!?」
「黙って見ていろ」
アーロンの邪魔をするな
キマリの眼が、そう言っていた。
「ちっ!」
よほど自信があるのか、抵抗を見せないシーモアに、アーロンは忌々し気に舌打ちする。
振りかぶるアーロンに、ユウナの声が聞こえた。
「守護の盾 魔法防御」
アーロンの身体を、白い輝きが膜のように覆う。
「じゃあな」
ザンッーー
外側だけが硬く、中身は柔らかい妙な手応えだった。
斬り裂かれたシーモアは、一瞬、驚きの表情をみせた。
が、幻光虫に変わっていく光の中で、不気味に笑った。
まだ終わらない
そう、言っている。アヤは直感した。
「今の内に逃げるぞ!」
アーロンの声に、今度こそ、全員がグレート・ブリッジに向かって走り出した。
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