29話 対峙
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ティーダが突進すると、キマリが後に続いた。
二人の間を、炎を纏ったブリッツ・ボールが風を斬って走る。
シーモアがワッカの攻撃に気を取られている隙に、ティーダとキマリが銀色の身体に、剣と槍を突き立てる。
「えやぁっ!」
「おらぁっっ!」
「リュック!ルールー!頼んだぞ!」
「はい!」
「まっかせて!」
アーロンはアヤを立ち上がらせると、ユウナを見る。
「ユウナ、必ず護る」
「はい、アーロンさん」
「いくぞ!アヤ!」
「はいっ!!」
ユウナはいつでも召喚出来るように、ロッドを握りしめる。
「みんな、必ず勝って!」
「小賢しい。目障りだ、消えろ」
シーモアが片手を上げると、巨大な氷塊が宙に現れた。
「逃げろ!」
キマリが叫ぶと、ティーダは悲鳴を上げた。
「うぎあぁっ!」
「燃え上がれ、紅蓮の炎」
落ちてくる氷塊が、炎に包まれる。
「退け!キマリ!ティーダ!」
アーロンは、下から掬い上げるように、太刀を振るった。
二人の頭上の氷が、砕け散った。
溶けた氷がつくった幾つもの水溜まりの上を、アヤは確かな足取りで、シーモアに近づく。
自分を見上げるアヤに、思い出したようにシーモアは言った。
「アヤ、おまえにひとつだけ感謝している事があった。
私がアニマでシンを倒しても、スピラに安息は訪れない。
ブラスカのナギ節が訪れ、そしてそれが終わった時、悟った。
私が、本当に成すべき事が、わかった。ブラスカを守った礼を言う」
それがわかっただけで、おまえを助けたかいがあったと言うものだ。
シーモアの眼が、そう言っていた。
「私も、あなたにお礼を言うわ。助けて貰ったおかげで、またアーロンと一緒に戦うことが出来る。
ユウナを、護ることが出来るわ!!」
アヤは銃を抜くと、躊躇わずに撃った。
しかし、身体にめり込む筈の弾は、シーモアの銀色の皮膚で止められた。
呆気にとられるアヤに、アーロンは
「皮膚の硬度を上げたのか?物理攻撃は効果が薄いかもしれん。アヤ、アルテマだ」
「はい!」
アヤがアルテマを放つと、幻光虫の結合が弱まったのか、シーモアの身体から、翠の光が立ち昇り始めた。
「やった!」
「もうひと息ね」
リュックとルールーが、歓喜する。
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