29話 対峙
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「アヤ・・アーロン殿に教えて差し上げたのですか?」
慇懃無礼なシーモアの態度に、アヤは体を強張らせた。
それを見たシーモアは、逃げられない籠の中の鳥を虐げることに、喜びを感じる。
「あなたが私の腕の中で、初めて女としての悦びを感じた時の事をーー」
・・や
ーー私は 優しかったでしょう?
い・・や・・
ーーあなたの肌に痣をつくるような 乱暴な男と違って
「やめてっ!言わないでぇぇっっ!!」
シーモアから、笑みが消える。
「そんなものか?召喚士を守るというおまえの覚悟はーー」
自分に向けられるシーモアの視線に耐えきれずに、アヤは膝をつき、両手を地面についた。
「退け。今のおまえなど、殺す価値もない」
アーロンとキマリの前で、銀色の闇から放たれた刃に、アヤの心は切り裂かれる。
その刃に、彼女の覚悟は、脆くも潰えた。
アーロンに言われ、グレートブリッジを渡っていたユウナは、橋の中ほどで足を止める。
「やっぱり、キマリを置いて行けない」
「でもーー」
立ち止まったユウナを振り返り、ルールーは躊躇う。
ユウナの安全を考えれば、このまま橋を渡りきってしまった方が得策だ。
躊躇するルールーに
「そうだよ、ガ-ドなんだよ!」
ティーダは何かを思いついたように、ユウナの傍へ行くと、芝居がかった口調で言った。
「あぁ、俺はガードだ。だから、ユウナの行く所なら、どこでも着いていく!」
「どこでも?」
ユウナは首を傾げ、わざとらしく聞き返す。
それを受け、大袈裟に拳を振り上げて、ティーダは叫ぶ。
「んで、護る!」
「じゃあーー」
打ち合わせたかのように、二人は顔を突き合わせ
「「行こう!!」」
そう言うなり、駆け出した。
「キマリ~!独りでカッコつけんな~!」
ティーダは、どこか覚束ない台詞回しで、舞台に戻って行く。
「わざとらしいことしやがって、おらあ~!俺も混ぜろ~!!」
「あたしも!」
呆気にとられていたワッカが走ると、リュックも後を追う。
ティーダとユウナの三文芝居に、二人が加わった。
「もうーー」
馬鹿なんだから
ルール-はそう呟いた後、嬉しそうに走り出した。
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