29話 対峙
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闇の空を、サーチライトが照らし始めた。
ベベルへの侵入を阻止する為に。
ベベルからの脱出を阻む為に。
恍惚と自説を説くシーモアに、ティーダは顔を歪める。
「何だ、そりゃあーー」
酔いしれているシーモアに痺れを切らし、キマリが槍を突き刺した。
「ふうぅぅん!」
シーモアは、槍を胸に刺したままキマリを睨みつける。
「目障りな。よかろう。ならば、おまえにも安息をくれてやろう!」
怒りの形相でロッドを高く掲げると、辺りは暗黒に包まれる。
「アニマを召喚する気か!?」
シーモアの後ろに身動きひとつせずに立っている、側近と僧兵の体が揺らぎだした。
翠色の光りを発光しながら、実体が消滅する。
そして、無数の幻光虫に姿を変えると、螺旋を描き、シーモアの周りを飛び交う。
その光りの中に、アヤが抱き抱えているキノックの身体も、幻光虫に変わり融けていった。
「おおおおおおおお」
不気味な唸り声を上げ、身震いしながら、シーモアはその光りを身体に吸収する。
槍は抜け落ち、キマリはその様子に茫然と立ちつくした。
全ての光りを吸収すると、シーモアの身体は銀色に輝き、宙に浮いた。
その異形に、キマリはとっさに叫んだ。
「走れ!ユウナを護れ!!」
「行け!」
キマリの心中を汲み、アーロンも叫ぶ。
「アーロン!ふざけんなっーー!」
全部言い終わらない内に、アーロンは太刀の切っ先をティーダに突き付けた。
「行けと言っている!!キマリはガ-ドだ!ユウナを護る事が全てだ!」
アーロンの声に、ルールーがユウナの腕を引っ張る。
「行くわよ!」
皆は仕方なく、グレート・ブリッジに向かって走り出した。
「アヤ!立て!」
アーロンが腕を掴み走り出すと、シーモアがアヤを呼び止める。
「待て、アヤ」
「アヤ、構うな!行け!」
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