28話 懐かしの場所
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ティーダたちを休ませ、アヤは居間に戻って来た。
ドアの開く音に、アーロンは閉じていた目を開け、アヤを見る。
「眠らなくていいのか?」
「うんーーなんか、目が冴えて」
そう言うと、アヤはソファーに座った。
「アヤ」
「あ、はい」
アヤが顔を上げると、アーロンはソファーの上に仰向けに寝転がった。
頭をアヤの膝にのせると、肘掛けの上で足を組んだ。
「ア、アーロン」
「いいだろう、久しぶりに」
飛空挺から飛び降りた時に、振ったくせにーー
そう目で訴えたが、アーロンは素知らぬ振りをした。
額にかかる髪をそっとのけながら、写真の中の自分たちを見る。
付き合って間もない頃。
アーロンは24で、私は15だった。
一緒に歩いていると、いつも兄妹に間違えられて。
口づけも、唇に触れるだけだった。
彼なりに気を使ってくれていたのだろうか。
そう思い返し、微かに笑った。
自分の膝に伝わる重みに、愛しさが募る。
アヤは徐に、耳に掛かっている、黒いサングラスを外した。
「なんだ?」
閉じていた目を開け、アヤを見上げる。
「このサングラス、素敵ね。自分で選んだの?」
自分の顔に掛けてみる。
「いやーーティーダが、贈ってくれた。ザナルカンド・エイブスと契約して、初めて自分で稼いだ金だと言ってーー」
伏し目がちに、記憶の糸をたぐる。
「そう・・優しいのね、あの子。ジェクトによく似てる」
「あぁ、不器用なところもな」
「うんーー」
ティーダの名で、先程の食事の時の事を思い出す。
「そういえばアーロンーーあんまり、食べなくなったね。昔は、よく食べたのに」
「ーー気のせいじゃないか」
「そう?」
訝し気に見ていたが、再びアーロンが目を閉じると、長い髪をそっと撫でた。
アヤの膝の心地良さと疲れのせいか、アーロンはいつしか夢見心地になる。
そんなアーロンを、サングラスごしに優しく見つめながら、アヤは呟いた。
「アーロンーーユウナが、ザナルカンドで究極召喚の道を選んだら・・・その時はーー」
その時はねーーー
たゆたう意識の中で、アヤの声が聞こえる。
今度は私が になるわ
沈んでいく意識が、声を途切れさす。
だってあなたは なんでしょう
.
