28話 懐かしの場所
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いい加減走り疲れた頃、ようやく目的地に到着した。
アヤは肩で息をしているみんなに、自分も息を切らせながら中に入るように促した。
「カーテンは開けないで。今、水を持ってくるから」
アヤは手狭になった居間から、台所に消えた。
「へぇ~ここが、おっちゃんの家か~」
キョロキョロと、リュックが珍しそうに見渡せば、つられてみんなも当たりを見渡す。
小さなテーブルとソファー、落ち着いた色のカーテン。
リビングボードの上には、写真が2枚。
「これ、アヤとーーアーロン!?」
ティーダの声に、皆が集まる。
「どれどれ~?」
「アヤ、かわい~!!」
ワッカが覗き込むと、リュックが歓声を上げる。
「ユウナより、幼いかしら」
「アーロンさん、昔からいかつかったんだな」
「しかも、照れてるし」
「でも、男前じゃん」
一頻り騒いだ後、アヤの用意した水で喉を潤し、やっと落ち着いた。
冷凍していた食材で、簡単な食事の用意をした。
テーブルに、サンドイッチを盛った皿を置く。
ソファーにユウナとルールーが座り、アーロンとキマリは、壁にもたれて外の様子に気を配っていた。
床に座ったリュックとティーダとワッカの前にも、皿を置いた。
牢に入れられてから、ろくに食事をとっていなかった皆は、早速手を伸ばす。
「みんな、無事でよかったーー」
改めて、よくあの浄罪の路から抜け出せたものだと、心の底から感心する。
そんなアヤの呟きに、サンドイッチを頬張りながら、リュックが答える。
「みんなと、一緒だったから平気だよ」
「そうね。ルチルさんやエルマさんにも、助けて貰ったしね」
リュックとルールーの言葉に、ユウナも頷いた。
「うん、みんなのおかげだね」
力なく言うユウナに、アヤは
「ユウナ、食事が済んだら、寝室で休みなさい。ろくに眠ってないんでしょう。
リュックもルールーも、一緒に休むといいわ」
「ユウナ、そうした方がいい」
キマリの口添えに、ユウナは頷く。
「はい、そうします」
「あれ、アーロン。食べないんスか?」
口一杯に咀嚼しながら、ティーダは訝し気にアーロンを見る。
「ティーダたちは、書斎で休んで。今、毛布を用意するから」
アヤが居間を出ようとすると
「あ、手伝います」
「俺もっス」
ワッカとティーダが、床から立ち上がった。
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