28話 懐かしの場所
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ルチルとエルマの手引きで寺院を脱出して、ベベルの街中をひたすら走った。
皆がベベルの街は不案内なために、アーロンが先頭を走る。
追ってを気にしながら最後尾を走っていたアヤは、見覚えのある道を走っていることに気づき、スピードをあげてアーロンに走り寄った。
「アーロンーー」
立ち止まらないアーロンをもう一度呼ぶ。
「アーロン!」
「なんだ?」
肩で息をしながら、立ち止まった。
先頭のアーロンが止まったので、後ろを走っていたティーダ達も次々立ち止まる。
「どこへ、行くつもりなの?この道はーー」
途切れ途切れに訊ねるアヤに、アーロンも息を整えながら答える。
「このままでは、目立ち過ぎてすぐに見付かる。
陽が落ちるまで、姿を隠した方がいい。おまえ、住んでいるのだろう?」
「そうだけどーーだからって何も」
「それともーー」
尚も抗議するアヤに、体ごと向き直り、意地悪く笑う。
「誰かと、住んでいるのか?」
わかっていてそんな事を聞くアーロンに、ムッとした顔を見せる。
「住んでないわよ!!先にいく!」
アヤはアーロンを抜かし、先頭を走り出した。
「フッ」
「え~、まだ走んの~~」
皆は意味がわからず、黙ってふたりの会話を聞いていた。
が、走り出したアヤを見てリュックがぼやいた。
「しかたないわ、行きましょう」
ルールーが、拗ねるリュックを宥める。
「ところで、俺たちどこに向かってんだ?ベベルの街は、全然わかんねえぜ」
ワッカが訊くと、ティーダは両手を上げて、肩をすくめた。
「ワッカがわかんないのに、俺が知るかっつーの。ユウナ、知ってる?」
「ーーうん」
ユウナは、アヤが走って行く道の先を見る。
「確かね、この先にはーーアーロンさんとアヤさんが住んでた家がね」
「え!おっちゃんとアヤの家?見たい見たい見た~い!!」
疲れを忘れたように、リュックが叫べば
「俺も見たいっス!」
「俺も俺も!」
「私も興味ある、かな」
「ルールー、あはは・・」
ユウナが引きつった笑いを浮かべる。
5人で盛り上がっていると、アーロンが一喝する。
「おい、いつまでしゃべってる。置いていくぞ」
「おわっ!急げ」
慌ててあとを追って走り出した。
.
