28話 懐かしの場所
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複雑に交差する浄罪の路を、ルールーとキマリも出口を目指して進んでいた。
ユウナ達とは別の路でティーダ達と出会い、出口にたどり着いた。
「ユウナ!」
「ルールー!」
ユウナが駆け寄ると、ふたりは抱き合って喜んだ。
「ユウナ、離れてすまない」
キマリが詫びると、ユウナは首を振る。
「ううん、いいの。キマリこそ、無事で良かった」
ユウナの無事な姿に、キマリは密かに安堵の息を吐く。
それにアーロンが気づき、微かに笑う。
「ユウナん~!良かった~ほんと良かった~。心配したんだよ!」
リュックが飛びつけば、ユウナも口元を綻ばせた。
「うん、ありがと」
「ところで、ここはどこなんだ?」
庭を見渡しながら、ワッカが誰ともなしに訊ねる。
「寺院の中庭なの。あの建物に、昔住んでいたんだよ」
ユウナが指差す方向に、赤茶けたレンガの建物が見えた。
「じゃあ、寺院の裏側なの?」
「うん」
昨日の騒ぎなど、遠い昔に思える程に静かな空間だった。
「ここだけ、時間が止まっているみたいね」
「おまえ、この場所には」
アヤは首を振った。
「あれ以来、来てないわ」
「そうかーー」
感懐深く見ていたアヤが、ティーダを振り返る。
「ティーダ」
「なんすか?」
頭の後ろで手を組むと、アヤの傍へ行った。
アヤは視線を戻し、懐かしそうに告げる。
「ジェクトは旅に出るまで、ここでアーロンにしごかれたのよ」
「え!マジっスか!?」
ユウナが何かを思い出し、手を叩く。
「そうそう、ジェクトさんが『ジェクト様シュート3号』を見せてくれたのも、ここだった!」
ティーダは、ゆっくり足を踏み出した。
数歩歩いて、立ち止まる。
揺れる木々の下に、ジェクトとアーロンの姿を見つけた。
『どうしたジェクト!息が上がってるぞ。もうへばったのか!?』
『うっせえ!!ジェクト様の辞書にはなあ、負けるとか、へばるって文字はねえんだよ!!』
『ジェクト~頑張れ!!』
『ジェクトさん負けるな~』
オヤジに声援を送る幼いユウナと、まだあどけなさが残るアヤ。
穏やかな笑みの、ユウナの親父さん。
傷を負う前の、今よりずっと若いアーロンと オヤジ
わずかに葉を揺らし
風が
みんなの幻を かき消した
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