28話 懐かしの場所
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
観念したイサールは、浄罪の路の出口を教えた。
「水路の出口も一緒だ。このまま進めば、いずれ仲間とも会えるだろうーー」
ユウナは黙って、イサールに頭を下げる。
アヤとユウナが歩き出すと、アーロンは二人に聞こえぬように、イサールに告げた。
「もう、旅はやめろ」
その言葉に、イサールは目を見張る。
「しかし!」
そのまま歩き出したアーロンは、すれ違いざま、諭すように呟く。
「命を、無駄にするな」
振り向いて見た物は、悲しみを滲ませた広い背中。
イサールの覚悟は、脆くも崩れた。
彼と別れ暫く進むと、鉄の扉が路の終わりを塞いでいた。
中にイサールがいるからか、扉に鍵は掛かっていなかった。
三人がかりで、やっと一人通れるくらいの隙間を開け、扉の外へ出た。
「ここはーー」
太陽の眩しさに目を細めながら、アヤは驚きのあまり、言葉を失った。
後から出て来たアーロンとユウナも、同様だった。
「ーーここに、繋がっていたとはな」
アーロンは、目の前の景色に何とも言い難い想いが、込み上げてくるのを感じた。
「懐かしいーー」
「ほんとね」
ユウナの呟きに、アヤも哀しく微笑んだ。
一面の芝の緑に、背の高い木々の葉のざわめき。
隅にある小さな花壇には、僅かな花が、懸命に花片をほころばせている。
三人が黙り込んでいると、先程までいた扉の向こうから何やら声が響いてくる。
だが壁に反響し、わんわんと鳴いているようにしか聴こえない。
振り向いて声の主を確かめるまでもなく、アーロンは眉間の皺を深くした。
「だからリュックが、もっと早くポーション投げれば」
「あたしのせいだって言うの!?」
「ザナルカンド・エイブスのエースも、丸腰じゃ辛きしだったしな~」
「何だよ!俺のせいかよ!そういうワッカこそ、あのハゲが武器を取り上げろって言った時
『コレは武器じゃありませ~ん!ブリッツのボールで~す』
って言えばよかったっスよ!」
「バカね、あんなトゲトゲボール、ごまかせる訳ないじゃない!」
「・・・」
ルールーに即座に否定され、ティーダは黙った。
そして、眩しそうに手をかざしながら、扉の外へ出た。
「 !! ユウーー」
「喧しい!!!!」
いきなり落ちたアーロンの雷に、ティーダ達は扉の中へ引っ込んだ。
.
