27話 メビウスの輪
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アヤの告白に、ユウナは気持ちを抑え切れなくなった。
「どうして?私が、アヤさんを責める事なんかひとつも。
まして、嫌いになんかなる筈がないよ!」
その時、暗闇から低く、よく響く声が聞こえた。
「アヤは、ブラスカに究極召喚を望んだことを、悔いているんだ」
朱い影は、ふたりにゆっくりと近づいた。
「アーロンーー」
「怪我は、大丈夫か」
大きな手を差し出すと、アヤは頷いてその手をとった。
アーロンはアヤの手を掴んで立ち上がらせると、ユウナを促す。
「立ち止まっていると危険だ。いくぞ」
「はい」
ユウナを護るように、歩き出した。
「アヤさん。私、あなたが父さんにシンを倒すことを望んだからって、少しも恨んだりしません。
だって、召喚士はその為に居るんです。
例え今は、シンの復活を防ぐことが出来なくても」
ユウナの嘘偽りのない心に、アヤはポツリポツリと、本心を吐き出す。
「あの時、私は、自分のことで頭がいっぱいだった。
ブラスカが究極召喚を手に入れてーーこれで、ナギ節がくる。
1年か、2年か、わからないけど、スピラのどこへ行ってもシンはいない。
アーロンを送り出した後、無事で帰って来るか、心配しなくていい。
毎晩、明日の夜は隣りに居ないかもしれないーー
そんな不安な思いをしながら、眠る事もないんだ。
嬉しかった。だけどーー
ブラスカを失ったアーロンの悲しみや、ユウナが独りぼっちになる淋しさーーそれがどれだけ辛いか、これっぽっちも、想像しなかった」
その後を、アーロンが静かに語る。
十年前の、自分たちの旅の顛末。
「ザナルカンドで究極召喚を手に入れると、ブラスカはナギ平原まで戻って来た。そこでシンを待つと言って。
ブラスカは、俺たちにベベルへ戻るように、何度も言った。
アヤは戻りたがったが、俺が拒否した。
シンを待ちはじめたその日の、誰そ彼(たそがれ)時だった」
空に、シンが居た。
ブラスカは、究極召喚でシンを倒した。
次の朝 俺たちは別れたーー
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