27話 メビウスの輪
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「ここに居ても埒があかねえな。行くぞ」
ワッカが泳ぎ出すと、リュックが続き、ティーダがしんがりについた。
「ほ~んと陰気なとこだね~」
リュックがボヤくと
「なあ、ここにいて、どう処罰されんだ?俺たち」
ワッカは前を向いたまま答える。
「わかんねえよ、そんなこと。何にも起こんねえ内に、さっさと逃げようぜ」
しばらくすると、三人が泳いでいる水路の中を、光が漂い流れてくる。
思わずそれを見送っていたティーダは、二人を呼び止める。
「お、おい!見ろよ!」
「え?」
「なんだよ」
振り向いたワッカたちの目の前で、幻光虫が次々と輝き、その光が巨大な物になっていく。
「ありゃあ、まさか」
「エフレイユ?」
幻光虫は、ベベル上空で倒したエフレイユを形作った。
「う~骨が透けてる~」
「ゾンビかよ」
リュックとティーダは、気味が悪いと顔を見合わせた。
「おい、こっちは丸腰なんだ!逃げるぞ!」
「逃げるって、どこへ~!?」
「とにかく、前!前に行くっス!」
無気味に追いかけてくるエフレイユから、三人は必死に逃げた。
「もう~どこまで続くのさ~」
リュックが悲鳴を上げた矢先、水路の柵で先に進めなくなった。
「行き止まりかよ!」
ワッカが柵を揺すったが、ビクともしない。
「鍵とかないのかよ!」
「潜って探してみる」
リュックが大きく息を吸って、水の中に消えた。
すぐに浮かび上がって来たリュックは、水面に出るなり頭を振った。
「あったよ!でも、固くて壊せないよ!」
「よし、今度は俺がいく」
ワッカがトプンと水玉を上げ、水路に潜った。
「ねえ、ティーダ。さっき、アイツのことゾンビみたいって言ったよね」
「ん?あぁ、言ったけど、それがどうかって、来た~!!」
自分たちに向かって来るエフレイユ・オルタナを見つけ、ティーダが叫んだ。
「うわっうわっ!ど~しよ~!?」
「リュック!ゾンビがなんだって!?」
動転して柵を揺すりながら、ティーダが訊く。
「えっ?あ、あ、あのね、ゾンビなら、ポ-ションが毒になるんかな~って」
徐々に迫って来るエフレイユに怯え、泣き叫んだ。
「何でもいいからやってみるっス!!」
「くらえ!ゾンビ!!」
リュックはポ-ションを投げつけた。
ポ-ションを体に浴びたエフレイユは、苦しみだした。
「やった!もう一本くらえ!」
そこへワッカが上がって来る。
「おい、通れるぞ!早く逃げよう!」
幻光虫に変わり出したエフレイユを後に、柵を潜り抜け出口を目指した。
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