27話 メビウスの輪
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ティーダは、アーロンとは別の場所へ連れて行かれた。
足元には深い水路があり、地下に流れ込んでいる。
「さ~て、次はお前か?」
「どういう処分だ!?」
ティーダの問いに、僧兵は楽しげに答える。
「行きゃあわかるさ」
そう言うなり、ライフルの銃口で背中を押した。
「うわっ!」
もんどり打って水の中に落ちたティーダは、水面に顔を出す。
「みんなはどこにいんだよ!」
「そこら辺に浮いてんじゃねえか?ひゃはははは!」
下卑た笑い声を聞きながら、ティーダは流されていった。
流されるまま泳いでいくと、ワッカに出くわした。リュックも一緒だ。
「おお!無事か!」
三人は、ハイタッチをして無事を喜んだ。
「どういう処分なんだ?」
水に漂いながら、ティーダがワッカに訊いた。
「野垂れ死に狙い、ってヤツかもな」
「あ~」
ティーダが、心底嫌そうな声を出した。
「陰険なやり方!」
「ユウナんは?」
「わからない」
「ここで待ってたら、来るかなぁ」
少しの間、考えを巡らしていたが
「うーん、出口で待とう」
その言葉に、リュックは辺りを見渡した。
「出口、あんのかな」
辺りには、水が流れる音だけが響いていた。
「ユウナさま、すまねえ!」
一方的に反逆者の烙印を押され、独りきりで一晩を牢で過ごした。
朝が訪れると、すぐにここ、浄罪の路へ放り込まれた。
「通路狭いなぁーー召喚獣呼べるかな」
足元の僅かな灯りを頼りに、出口を探して歩き始める。
そういえば、旅に出てから祈り子の間に籠もる時以外、独りになったことがなかった。
急に心細くなったユウナは、子どもの頃を思い出し、笑った。
「あの頃は、いつも独りだったのにな」
十年前、ここベベル寺院に父ブラスカと住んでいた頃は、独りぼっちだった。
母親がアルベド族のユウナと、友達になってくれる子は居なかった。
だから、アヤが来てくれて本当に嬉しかった。
母が居ない寂しさはあったが、アーロンとアヤがそれを紛らわせてくれた。
ナギ節が訪れてからは、キマリとビサイド島に移り、そこで十年暮らした。
島は静かで、ワッカやルール-は、優しかった。
でも、アーロンとアヤが、居なかった。
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