27話 メビウスの輪
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ケルクは淡々と言葉を紡ぐ。
「マイカ総老師は、賢明な指導者。
死して尚、スピラに必要な人物」
その言葉を受け、キノックも口を開く。
「優れた死者による指導は、愚かな生者の支配に勝るのだ」
シーモアが嘲ける。
「生命は所詮、空しい夢。生の後に来る、死こそが永遠」
マイカが朗々と説く。
「スピラの全てを支配するのは、死の力に他ならぬ。迷うだけ、無駄というものよ」
「ならば、シンは!」
ユウナは、マイカやキノックの告げる真実に抗うた。
「召喚士は、シンが齎す死を止めようと、旅を続けています!
その戦いも、犠牲も、無駄だとおっしゃるのですか!?」
召喚士だけじゃない。
今まで、長い間シンに立ち向かって来た沢山の人たち。
その命、全てがーー
「無駄とは言わぬ。確かに、召喚士が何人犠牲になろうとも、シンは倒せん。復活を防ぐ術はない。
なれど、戦う者の勇気は、民に希望を与えておろう。
召喚士の死も、決して、無駄にはならん」
「無駄にはならんが、解決にもならん」
アーロンが口にした事は、千年もの長きに渡り、繰り返されて来た
「それが、エボンの真実」
民を、死の恐怖から救い、希望に導き
死を迎えるその時まで
生きる喜びを与え、生きる事を讃え合う筈の教え。
「変わらぬ事こそ、エボンの真実。継続こそが、エボンの真実」
「変だよ・・おかしいよ・・」
「真実に異を唱える者。これ、即ち反逆者」
「マイカ様!!」
ユウナは愕然とした。
ただ死を待つ為だけに
私たちは、生まれ出ずるのか
違う!
そんなの違う!!
私たちは、生きる為に生まれて来た。
死を待つ為だけに生まれて来たんじゃない
.
