26話 コンチネンタル・サーカス
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控えの間に入ると、祈り子の間へつづく頑丈な扉の前で立ち止まった。
「ユウナは!?」
「扉の中よ。多分ね」
ティーダは、祈り子の間を閉ざす、重い扉に手をかけた。
「お、おい!」
強引に開けようとするティーダを、ワッカは止めようとする。
「今更、掟もないだろ!!」
扉を開けようとするティーダの横に、キマリの大きな手が添えられる。
「キマリーー」
キマリは頷くと、ティーダと共に扉を持ち上げる。
動かなかった重い扉が、徐々に上に上がる。
何とか通り抜けられるくらい開くと、キマリは中へ入るようティーダを促した。
ティーダは頷き、祈り子の間へ足を踏み入れた。
ユウナは、ドレスの裾を後ろに広げ、膝まづいていた。
床の中心には、ベベル寺院の祈り子像があり、その上には小さな子供が浮かんでいる。
ティーダは、どこかで見た気がした。
「なんなんだ?」
「祈り子だ。召喚士の心と重なり、召喚獣の力を授ける」
後ろから聴こえたアーロンの声に、ティーダは振り向く。
アーロンは子供を見つめ、続けた。
「エボンの秘術で取り出され、像に封じられた人間の魂。あれもまた、哀れな死者だ」
祈り子は微かに頷くと、ユウナの体の中へ消えていく。
祈り子を授かったユウナは、目を閉じたまま倒れ込んだ。
アーロンは扉の外の不穏な気配を感じ、祈り子の間から足早に立ち去った。
「ユウナ!」
ティーダは駆け寄ると、ユウナの体を抱き起こす。
やっと、この手に感じることが出来たユウナの体温に、ティーダの心の奥底から愛しさが込み上げて来た。
気を失っているユウナを抱き上げると、部屋を出ようと扉に近づいた。
「待って!出て来ちゃダメ!」
リュックの声に、思わず立ち止まる。
が、既に扉の外は、キノックが率いて来た僧兵に取り囲まれていた。
「一網打尽。お前たちには、裁判を受けて貰おう」
勝ち誇った笑みのキノックに、アーロンは皮肉を投げつける。
「フッ、公平な裁判を、期待したいものだな」
キノックは、それを笑い飛ばした。
「せいぜい祈れ」
合図を出すと、僧兵らがティーダにライフルを突きつけた。
「武器は取り上げろ!それと、アヤを連れて行け」
キノックの命令に、全員の武器を取り上げる。
両側からライフルを突きつけ、僧兵がアヤの腕を掴む。
「!!」
抵抗するアヤを引きずるようにして、控えの間を出て行った。
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