4話 青天
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「ビサイド村だ」
小さな集落の入り口で、ワッカは立ち止まった。
「食べ物・・ある?」
空腹のあまり、情けない声で聞いた。
「あとで、オレんちで喰わしてやる。しばらく暇つぶしてろ。
そうそう、おまえいくら何でも、お祈りは覚えてるよな」
お祈り?
「いや、忘れたっていうか、知らなかったんだけどさ」
「生活の基本だろ?とにかくおしえてやる、うん」
ワッカは両手を広げると、胸の前で円をつくり頭を下げる。
「ほれ、やってみ」
促されて、ぎこちなくワッカと同じ動作をした。
「おっし、上出来だ。じゃ、寺院の召喚士様に挨拶してきな」
それは、ブリッツの選手だったら誰でも知っている、勝利のおまじないだった。
自分の家に入っていくワッカを見届けて、寺院へと足を運んだ。
寺院はすぐに分かった。
その建物以外、目立った物はなかったから。
寺院の中は薄暗くて、ほんとに、俺の知らない世界だった。
何体かある像のひとつに近づくと、僧侶が説明してくれた。
「ブラスカ様が大召喚士となられてから10年。やっと、御聖像が届きました」
「ダイショウカンシって・・なんスか?」
どよめきが起こった。
「あの、俺シンの毒気にあたっちゃったんです!」
慌てて言い訳をすれば、同情の声が上がる。
何度も、同じ言い訳をする自分が少しおかしくて…寂しかった。
「召喚士とは、神秘のワザで、我らエボンの民をお守り下さるお方。
選ばれし召喚士が操るは、血肉を持たざる聖なる獣、召喚獣。
祈りに応えて姿を現す召喚獣は、大いなるエボンの賜物」
要するに、なんだかスゴいオジサンたちに、感謝しなさいってことだと思った。
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