26話 コンチネンタル・サーカス
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「悪いな、エボンの秩序の為だ」
アーロンは、キマリ達にライフルを向ける僧兵を一瞥すると、キノックに皮肉な笑みを向ける。
「教えに反する、武器のようだが」
キノックはその言葉に薄笑いを浮かべた後、ティーダを突き飛ばしライフルの銃口を、アーロンに向けた。
「時と場合によるのだよ」
冷たく言い放ったキノックだが、アーロンの顔に向けた銃口は、小刻みに震えていた。
自分に銃を向けるかつての親友を、アーロンは悲しく見つめた。
「アーロン!」
二人の間に、アーロンを庇うようにアヤが割り込んだ。
「どけ」
キノックの脅しに、アヤは気丈に言い返す。
「殺せないくせに」
「だまれ!!!」
睨みつけるアヤの瞳に、銃口を定める。
「やめて!」
その様子を見ていたユウナが叫んだ。
「武器を捨てなさい。でないと、私」
塔の端へ、ユウナは後退った。
あと一歩下がると足を踏み外す場所まで来ると、シーモアはキノックに銃を下げるよう、合図をした。
「早く逃げて!お願い!」
「一緒にだろ!」
ユウナの懇願を、ティーダは拒否する。
自分達が助かっても、ユウナが居なければ何の意味もない。
「大丈夫。私も逃げるから!」
ユウナの言葉を、シーモアは冷たく窘めた。
「やめなさい。落ちて助かる高さではない」
ユウナは、シーモアの唇が触れた自分のそれを、手の甲で拭った。
拒絶された屈辱に、シーモアの顔が歪む。
「平気だよ。私は跳べる」
ティーダはダメだと首を振る。
「ーー信じて」
胸の前で手を組んだユウナは、そのまま、ゆっくりと墜ちていく。
「ーー!」
シーモアが塔の上から覗き込むと、ドレスを飾っていた白い羽が、ひらひらと舞っていた。
その時シーモアの服を、一陣の風が翻した。
訝しんで空を見上げると、その遥か上空から、急降下して来るものがあった。
一瞬のうちに視界から消え失せたそれは、ユウナの下へ回り込み、翼を広げる。
そして墜ちて来るユウナを、自らの体で優しく受け止めた。
「ヴァルファーレ!!」
翼を広げたヴァルファーレは、そのまま何処かへ消えた。
「目、つぶって!」
突然、リュックが叫んだ。
それと同時に、目がくらむような眩い光が、辺り一面を覆った。
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