26話 コンチネンタル・サーカス
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「くそったれ!出力が落ちやがった!」
飛空挺は、黒い煙りを吐き出しはじめる。
甲板にいるティーダ達の耳に、シドの声が響く。
「おい、見えたぞ!ベベルだ!突っ込むから、振り落とされないように掴まれ!」
「え~!!」
シドの指示に、皆は慌てて爆発で空いた穴に、手を突っ込んだ。
ティーダ達が必死にしがみつく中、飛空挺は一度上昇した後、雲を掻き分け突入した。
聖なる塔では、シーモアとユウナの婚礼が厳かに始まっていた。
二人は神妙に、マイカの前へ進む。
塔の上は、蟻の這い出る隙間もなく、僧兵が配置されている。
その空に、ひらひらと雪のように、光が落ちて来た。
警護の指揮を取っているキノックが不信に思い、空を仰ぎ見る。
そして、すぐに僧兵に指示を出した。
キノックの指図に、僧兵はライフルを構える。
機械兵が、今や遅しと、敵を待ちわびていた。
警戒の強まる中、雲を突き破り、飛空挺コンチネンタル・サーカスが現れる。
煌めく海原の上を、ユウナの元へひた走った。
「撃て!!」
僧兵の銃弾の雨を浴びながら、聖なる塔へ接近を試みる。
「来なさい」
飛空挺を見上げるユウナの腕を掴み、シーモアは最上階へ昇る。
ユウナを確認するように、飛空挺は塔を回り込んだ。
「なっ!!」
マイカが驚きの声を上げた。
飛空挺の巻き起こした風に、ユウナの全身を覆っていた布が、空へ舞い上がる。
飛空挺からアンカーが発射され、聖なる塔の下部へ突き刺さった。
張られたワイヤーにティーダが真っ先に飛び移り、リュックとワッカが続く。
キマリがルールーを抱き上げ跳ぶと、アーロンはアヤの腰に腕を廻した。
「ア、アーロン!?」
「おまえ、高所恐怖症だろ」
弱点をつかれ、アヤは大人しくアーロンにしがみついた。
機械兵の砲弾と銃弾が飛び交う中、二本のワイヤーを滑り降りる。
滑る靴とワイヤーの間に、火花が散った。
ティーダの顔は、ユウナの元へ近づくことへの、喜びで満たされていた。
最初は、仕方なくなったガードだった。
だが、いまは違う。
ユウナを、スピラを護ることに誇りを感じている。
途中、砲弾をよけながら、ティーダが宙返りをしてもう一本のワイヤーに飛び移った。
それに魅とれているアヤに、アーロンは告げる。
「アヤ」
「は、はい!」
ティーダに気をとられていたアヤは、慌てて返事をした。
「俺は、おまえを愛している」
急にどうしたのかと、アーロンを見つめる。
「だが、おまえとは結婚出来ない」
ワイヤーから、次々と聖なる塔へ降り立つティーダ達に、アーロンも続いた。
銃弾が当たり、ワイヤーは引きちぎれた。
そのまま飛空挺は黒煙は捲き、聖なる塔を離れた。
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