25話 慟哭
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ティーダとアヤがブリッジに戻ると、シドとアーロンが険悪な空気を撒き散らしながら、話し合いをしていた。
「ユウナを救出して、そのあとはどうする?
お前の望みは、ユウナの身の安全だろう。旅を止めさせるつもりか」
「あたりめえよ!このまま旅を続けりゃ、ユウナは必ず死んじまう。
そんなふざけた話があるか。黙って、姪っ子を死なせられっか!召喚士なんざ、即廃業させたる!」
ティーダとアヤは、二人に近づいた。
ワッカとルールーが、不安げに見守る。
リュックはシドの頑固さをよく知っているせいか、既に諦め顔だ。
「ユウナの意志に反してもーーか」
「死んじまうよりゃあマシだ!
文句がある奴ァ前に出ろ!叩き出したるわ!」
説得を試みるアーロンだったが、シドは全く、聞く耳を持たない。
ユウナの行方を捜す術がない以上、この船に頼るしか手立てはない。
「やむを得んな」
苦虫を噛み潰した顔で了承するアーロンに、シドは満足げに笑う。
「おーし!満場一致だな!」
「いいのか?」
珍しく押し切られたアーロンに、ティーダは顔を曇らせる。
「なんとでも、言わせておくさ」
ワッカはシドの発言に、茫然としていた。
「今、姪ってーーってことは、ユウナは、アルベドと血が繋がってーー」
動揺するワッカに、ティーダは意地悪く笑う。
「ガード、やめるか?」
「んなことしねーよ!ユウナは、ユウナだ!」
その時、アニキが叫んだ。
「トタギ!ユウナオミザキモダカアユサ!」
「ゴヨガ!」
「ミヤフエヌ!」
飛空挺のズームレンズが、ある一点を拡大する。
モニターにユウナの姿が映った。
「ユウナ!?」
隣にはシーモアと、周りにはマイカ総老師、武装兵士の姿が見えた。
「どこだ!?」
ティーダが叫ぶと、アヤが僅かに顔を歪めた。
「聖ベベル宮。エボンの総本山よ」
「おっさん!行ってくれ!」
即座に決断したティーダに、シドは目を見張る。
「わかってんのか、小僧。ベベルの防衛網はハンパじゃねえ!」
ティーダはモニターから目を離さずに、シドを煽った。
「なんだよ、おっさん。ビビッてんのか!そこにユウナがいる。だったら、助けに行く」
振り向くと、不敵に笑った。
「そんだけっスよ!!」
「へっ、吹かしやがる」
シドは楽しげに、目を細めた。
「キンノ、ベベルガ!!ゲンホルベズユソザへ!!」
「ニモフアミ!」
アニキは飛空挺のスピードを上げた。
その反動で、ティーダはブリッジの床を転がった。
「ベベルまではちょいと時間がかかる。その間にーー」
ティーダは起き上がると、モニターを睨みつけた。
「戦闘準備だろ!」
next あとがき.
