25話 慟哭
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アヤを待つ間、マローダと話した。
「オレもよ、旅の終わりに兄貴が死ぬなんて、イイ気分じゃねーよ。
誰も死なずに済む方法がありゃ、そっち取るに決まってらあな」
「じゃあ、考えよう!」
ティーダは1人でも、それを考えてくれる仲間を増やしたかった。
「簡単に言ってくれるよなーーたっぷり時間さえありゃあ、いくらでも考えるっつーの。
でもな、チンタラ考えてるうちに、シンがみんな壊しちまうだろ。
スピラにゃあ、時間がねえんだよ」
マローダの返答に、自分の考えは甘いのだろうかと、そんな気持ちが頭を余儀った。
「アーロンはね」
「え?」
ドナの部屋から出て来たアヤと、ブリッジに戻る途中だった。
彼女の声に、思わず立ち止まる。
「あなたに、賭けたのよ」
「賭ける?」
意味が分からずに、アヤを見つめる。
アヤは微かに微笑むと、ティーダを抱きしめた。
「!」
体に押し当てられる柔らかい感触に、ティーダは顔を赤くする。
「アヤーーアヤ?」
思わず背中に回してしまった腕に戸惑いながらも、アヤの体温の心地良さを、手離せないでいる。
「あなたがーーううん、あなた達がこの世界を変えてくれることを、信じてるの。アーロンは」
「アーロンが?」
一瞬、信じられないと目を見張った。
が、すぐにそれを否定した。
アーロンは、口煩いし、すぐ睨むし、怒るとすげー怖いけど。
嘘は言わない。絶対に。
そうだ。ユウナだけじゃない。
イサールも、ドナも、死なせたくない。
「アーロンだけじゃないわ」
私も、信じている
アヤの紫の瞳に、ティーダは決意を新たに頷いた。
「ありがとう、アヤ。もう、弱気にならないっス!」
.
