25話 慟哭
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シドがユウナの行方を探り始めると、皆は手持ち無沙汰になった。
「俺ーーちょっと出てもいいかな?」
ティーダが、ルールーに近づいて言った。
「どうしたの?」
先程の事もあり、ルールーは心配そうな顔になる。
「イサールと、話がしたいんだ」
「ーーそう」
「ユウナが見つかったら、すぐ知らせる。行ってこい」
ワッカは、ティーダの背中を軽く叩いた。
「うん。ありがと、ワッカ」
ティーダがブリッジから出ようとすると、アヤが後ろから追いかけて来た。
「私も行くわ」
出ていくふたりの後ろ姿を見送りながら、ルールーが呟いた。
「大丈夫かしらーー」
「大丈夫だよ。あいつを信じようぜ」
真実を知って尚、ユウナを死なせないと言ったティーダを、ワッカは信頼の眼差しで見送った。
連れだってキャビンへ向かう。
飛空挺の最上階にあるキャビンの通路にマローダとパッセが立っていて、イサールの居る部屋はすぐにわかった。
「兄貴なら、中にいるぜ」
マローダは、ドアの中を親指で指し示した。
ティーダは頷いて、ドアを開けた。
ティーダが部屋に入ると、アヤはドナの居場所を訊いた。
「そこの部屋に居るけどーー独りにしてくれって言ってたぜ」
斜め向かいの部屋を指差しながら、マローダが言った。
アヤは礼を言うと、ドアをノックした。
ティーダが部屋に入ると、イサールは一瞬、驚いた顔をしたが、すぐに笑みを浮かべた。
ジョゼ寺院で初めて会った時のような、穏やかな笑みだった。
「アルベド族には、随分と世話になってしまった。
しかしーーいくら言われても、旅を止めるわけにはいかない」
「死んじゃうのにーーか」
ティーダの目を真っ直ぐに見つめ、イサールは言葉を紡ぐ。
「子供のころから決めていたんだ。
とっくに、覚悟は出来ているよ」
イサールの覚悟の前には、どんな言葉も無力だった。
ティーダは、黙って部屋を出た。
「アヤ様ーー」
ベッドに腰掛けていたドナは、意外な訪問者に目を丸くする。
「ごめんね、疲れてるのに」
困惑は見せたが、ドナは首を横に振った。
「バルテロとは、ガードと召喚士の間柄なの?」
唐突な質問に、ドナは怪訝な顔をした。
「いえ・・恋人です」
ドナは少し、躊躇いがちに綴った。
「何年前かな、船の中で知り合ったんです。
彼は討伐隊の志願者で、両親と妹がシンに殺されたって、言ってました」
黙って話を聞いていたアヤが、ふいにドナの言葉を遮った。
「ザナルカンドに行くのは、やめなさい」
「でも!」
アヤの厳しい眼差しに、口を噤む。
「バルテロを失いたいの?」
「え?」
ドナは意味が分からずに、アヤを見詰めた。
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