25話 慟哭
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ドッグの上部が左右に開きはじめると、サヌビア砂漠の黄砂が、滝のように中に流れ落ちてくる。
飛空挺はゆっくり上昇をはじめる。
「ヌデネ!フゾミセウ!」
興奮するアニキに、シドはニヤリと笑った。
「な?バクチ打ってみるもんだろ?」
炎上するホームの上空まで浮上すると、方向を変える。
ホームの周りを飛び回っているズーがそれに気づき、後を追って来た。
「ヌデネ!ソンベウ!」
「次は、あれ使うぞ!」
感心するアニキに、シドは緊張な面持ちで指示を出す。
それを聞いたアニキは、眉間に皺を寄せた。
「キアサハミモハ・・」
沈痛な面持ちで俯くと、祈りの唄を歌い出した。
「イエユイー」
シドも一緒に歌い出す。
「何が始まるんだ?」
訳が分からずに訊ねると、リュックが悲しみを称えた瞳で答える。
「ホームを、爆破するんだよ」
「どうやって?」
「禁じられた、機械ってやつでな」
驚いて訊き返すルールーに、シドが答えた。
飛空挺の上部が二つに割れ、その側面にミサイル発射口が現れた。
「おっし!発射!」
シドが命じると、アニキは発射ボタンを押す。
飛空挺から発射された20発ものミサイルは、煙を吐きながらホーム目掛けて飛んでいった。
追い掛けるように迫ってくる爆煙に、巻き込まれない為に飛空挺はスピードを上げた。
「ハハハハハ!キレイさっぱりだぜ!」
爆炎を上げて崩れ落ちるホームを見ていたシドは、乾いた笑い声を上げた。
アニキは操縦桿を握りしめたまま、嗚咽を漏らしている。
そんなアニキを、シドは一喝した。
「泣くんじゃねえ!機械のいいところはな、また造ればいいってことだ!」
モニターいっぱいに映し出されるホームを目にして、アーロンは呟いた。
「召喚士を守る為の代償ーーか」
アヤも、やるせなさそうにモニターを見ていた。
爆発が成功し、ひと段落すると、ティーダはシドに訊ねる。
「ユウナのこと、なんかわかったのか?」
「これから調べんだよ」
悠長な返答に、ティーダはため息をついた。
「今、スフィア波検索装置で調べてるところだから、安心しろ!」
「スフィアハケンサクソウチ?」
「千年前の機械だ。仕組みなんてわからねえから、何にも聞くんじゃねえぞ!」
自信たっぷりに答える態度に、ルールーが悲鳴のごとく叫ぶ。
「何もわからずに使ってるの?」
「おう!コイツがどういう仕組みで飛んでるかもわかってねえ!」
「いーっ!?」
ワッカは恐れおののき、ルールーは頭を抱えた。
「エボンの機械禁止のせいで、俺たちは何にも知らねえ愚か者よ!全く、愉快痛快じゃねえか!」
から元気とから威張りを足したシドの態度に、ワッカはため息混じりに呟いた。
「こんな機械で空を飛ぶなんて、勘弁して欲しいぜーー」
「この船、ティーダを助けた時に、探してたヤツ。海から引き揚げたんだよ」
「これを?」
ティーダはブリッジの中を見渡した。
「うん!」
リュックは、自慢げに胸を張った。
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