25話 慟哭
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空調施設から更に奥へ進むと、そこは巨大なドッグだった。
「なんだよーーこのデカブツ」
薄暗い光の中に浮かび上がるシルエットに、ワッカは警戒心を露わにする。
「いいから!早く乗って!」
訝しむワッカを、リュックは急かした。
非常灯のついた通路を渡り、口を開けて待機している巨大な何かに乗り込んだ。
乗り込むと、リュックは居合わせたアルベド族にイサール達を任せて、上へ上がる。
通路を移動する間、誰も、口を開く者はいなかった。
リュックが開いたドアの先。
其処はーー
「ギアンダメネ、ラユラソマユキンキノ!」
シドが命令する。
「ワソ3フンガ!」
「コサコサルウンギタメネ、1プンゼタエ!」
忙しなく動くシドと、アルベド族の中に、ティーダ達は踏み込んだ。
「ユウナはどこだ!!」
激を飛ばすシドに怒鳴った。
「仲間は全員乗ったか?」
ティーダの剣幕に動じることなく、シドは訊き返す。
「どこだって、訊いてんだよ!!答えろ!!」
「ユウナを見つけて、どうするってんだ」
胸倉をつかむティーダに、シドは冷静に訊ねる。
アーロン達も、その周りに集まって来た。
「俺ーー何も知らないで、勝手なことばっかり言ってた。
あいつを追い詰めて、悲しい思いをさせてーー」
言葉の分からないリュックの兄が、ティーダを睨んでいる。
「謝るんだ。謝らなきゃいけないんだ!」
「なんでえ。謝って、それでおしめえか。その後、また旅に引っ張り出して、シンと戦って死んで下さいってか!!」
シドはティーダの胸倉を掴み返すと、いきなり投げ飛ばした。
「違う!!ユウナはーー」
床に体を打ち付けた痛みに顔を歪めて、ティーダは叫ぶ。
「ユウナは、絶対に死なせない!」
立ち上がると、まだ何も映し出していない、モニターを睨みつけた。
「小僧。その言葉、ウソはねえんだな」
自分の言葉に無言で頷くティーダに、シドは口の端を上げた。
「口だけのガキじゃねえって、証明してみろ」
「おう!」
柔らかくなったシドの口調に、ティーダも落ち着いた。
「居場所、知ってんのか?」
シドは、ブリッジの中央にある透明な球体に近づいた。
それは青白い光を放ち、シドを照らした。
「わかりゃしねえよ!だから、探すんだ。この、飛空挺でな!」
「ひ、ひくうてい!?」
ワッカの声が、驚きに裏返る。
地の底から鳴り響くような音が、飛空挺を揺さぶった。
シドとティーダのやりとりを見守っていたアルベド族が、また慌ただしく動き出す。
断続的に続く振動の中、アニキがシドに叫ぶ。
「トタギ、マユキンギヲンヂアンニモフガ!」
「よっしゃあ!千年振りのフライトだ!!」
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