25話 慟哭
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「キミ、知ってるよね?召喚士は、究極召喚を求めて旅してるって。ユウナんから聴いたよね。
究極召喚なら、シンを倒せるよ。
だけど、あれ使ったらーー召喚士も死んじゃうんだよ!」
まるで、ティーダの責任のように、詰め寄った。
「シンを倒して、ユウナんも、一緒に死んじゃうんだよ!」
リュックは、自分自身が突きつけた真実に耐えられずに、膝をつく。
ティーダの脳裏に、さっき聞いたアヤの言葉が甦る。
『ブラスカが、究極召喚でシンを倒すことを望んだの』
それは、自分の望みの為に、誰かの死を願うこと。
アヤは自分の幸せの為に、ユウナの父親の【死】を願った。
『だからーーユウナに会いに行けなかったの』
そして、今、またユウナの死を願う?
「知らなかったのーー俺だけか?」
知らされた真実に、ティーダは声を震わせる。
そして沸き上がる怒りに、声の限りに叫ぶ。
「知らなかったの俺だけかよ!なんで隠してたんだよ!!」
座り込んで、うなだれるリュックの肩を、両手で揺すった。
「隠してたんじゃねえ」
「言葉にするのが、怖くてねーー」
ティーダの後ろでワッカが呟くと、ルールーもその真実から、逃げていた事を打ち明ける。
キマリは、黙って耐えていた。
「ああああああ!!!」
ティーダは怒りを爆発させると、ルールーに喰ってかかる。
「ルールー!ユウナのこと、妹みたいに思ってたんじゃないのかよ!
ワッカもそうだよな!どうして止めないんだ!!」
「止めなかったと思うの!?あんたに何がわかるのよ!!」
だから、ガードになって、別の召喚士と旅に出た。
その召喚士がシンを倒せばーー
ユウナは、召喚士にならなくて済む。
死ななくて済む。
その為に、他の召喚士が命を落としたとしても。
ティーダを睨みつけていた、ルールーの顔が歪む。
「ユウナのーー意志なのよ」
ルールーは苦しみを吐き出した。
「あいつは、みんな承知の上で、召喚士の道を選んだんだ。シンと戦って死ぬ道をよ!!」
ルールーとワッカの悲痛な叫びにも、ティーダは怒りが治まらずに、矛先をアーロンに向ける。
「アーロン!なんで旅を続けろって言ったんだ!ユウナが死ぬって、わかってるのに!!
そんなにユウナを死なせたいのかよ!!」
それを聞いて、アヤは怒りを撒き散らすティーダの頬を、思い切り叩いた。
その痛みに、ティーダは沈黙した。
黙り込んだティーダを見つめ、アヤは静かに、震える声を発した。
「確かにナギ節は、召喚士の犠牲の上に成り立っている仮初めの平和よ。
でも、召喚士が犠牲にならなければ、絶えず誰かがシンに殺される。
力のない者も、ミヘン・セッションの時のように、抵抗を試みる者も。
ここはーーそういう世界なの」
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