25話 慟哭
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「お願いユウナ!ここに居て!」
扉を開け、中へ飛び込んだ。
「ユウナ!」
「ここには、いないわ」
キマリの叫びに、聞き覚えのある声が返って来た。
「ドナーー」
「久しぶりね。だけど、話は異界送りが済むまで待って」
ドナの後ろから、イサールが姿を現した。弟の、パッセとマローダも一緒だ。
「彼等は、僕らを守り犠牲になった。
せめて僕らの手で送らねば、申し訳が立たない」
何人も床に転がっているアルベド族に、イサールは悲しく目を伏せる。
リュックは、見知った顔の遺体に駆け寄り、床に膝をついた。
ルールーがリュックに寄り添う。
ドナとイサールの異界送りの舞いは続いた。
「ユウナ、どこにいっちまったんだ」
ワッカの呟きに、アヤはアーロンを見る。
「アーロン。ここにユウナがいないなら、島から脱出しないと」
今後の事を相談している
アヤ達をよそに、ティーダはさっきの事が気になっていた。
そこへ、イサールの幼い弟が、ティーダの元へ走って来た。
あどけない瞳で、ティーダを見上げる。
「ねえ、『イケニエ』って、なに?」
『召喚士を保護してるの。死なせたくないから』
『ガードがしっかり守っとけば、召喚士は死なないって』
誰も、そうだと言わなかった。
刹那、腹の奥にどす黒い疑惑が、沸いた。
それが、ジワジワと這い上がり、喉元にたどり着いて、口の中が渇いて気持ちが悪い。
さっきの、アヤの言葉ーー
考えるな、考えなきゃダメだ
知りたくない、知らなきゃダメだ
いま、俺の喉から出ようとしている言葉はーー
「召喚士はイケニエだって、アルベドの人が言ってたんだ。召喚士は旅を止めなきゃいけないんだって」
パッセの声が、遠くに聞こえる。
ティーダは、その意味を確かめることが怖くて、逃げ腰になる。
「召喚士のことは、ガードに任せろよ。無理矢理、旅を止めさせるなんてさあーー」
「止めなきゃダメなんだよ!!」
リュックが、ティーダの声を遮った。
ティーダの肩が、ビクリと跳ねる。
「このまま旅を続けて、ザナルカンドに行って、シンをやっつけたら、ユウナんはーー」
悲しみの輪廻がまた。
「ユウナんは死んじゃうんだよ!!」
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