4話 青天
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村への道すがら、ワッカはいい奴だと思った。
だから・・聞いてみたくなったんだ。
「あのさ、ザナルカンドって千年前にーー滅びて、今は遺跡になってしまった…でいいんだよな?」
自分に言い聞かせながら尋ねた。
村を一望できる丘の上で、ワッカは小さな子どもに昔話を聞かせるように語った。
「昔々、スピラにはでっかい街がたくさんあった。夜でも賑やかな大都市。
みんな機械の力でおもしろ可笑しく遊んでたわけだ。だけどな・・見て見ろ。」
ワッカが指差す方に目をやれば、無惨に壊された建物。えぐられた大地。
小さな土地に追いやられ、不便を強いられる住人たち。
「シンは、調子に乗っちまった人間への戒めだな。」
リュックの言ったとおりだった。
ワッカもリュックも、嘘をつく必要なんて全然ないんだ。
ルカへ行けば、なんとかなるってリュックは言ったけどーー
仰ぎ見る空の青さに、泣きそうになった。
「あははは!でもよ~ザナルカンド・エイブスってのは笑えたぞ!」
その言葉に、ガックリとうなだれるティーダの肩を揺すり
「おまえが落ち込むことないだろ・・」
俺を励ましてくれる、ワッカの気持ちが嬉しかった。
でもその時、俺が考えていたのは・・
はじまりはシンだ
だから、もう一度シンに遭えば
ザナルカンドへ帰ることが出来るかもしれない。
それまでは、ここがどこだとか、いつの時代だとか、気にするのはやめよう。
そう思うと、少しだけ楽になった。
ほんの少しだけ・・
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