25話 慟哭
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【偽りの平和に差し出すもの】
ホームの中へ足を踏み入れた。
「ユウナ!どこだ!」
ワッカが声を張り上げると、天井を突き破り、炎の塊が墜ちて来た。
「ボムよ!炎に気をつけて!」
ルールーが叫ぶ。
「消えろ、目障りだ」
アーロンは呟くと、向かって来るボムに太刀を振り下ろす。
「凍てつく氷の刃よ」
「引き裂くがいい」
ルールーとアヤが詠唱すると、巨大な氷がボムに突き刺さる。
「はあぁぁぁー!」
キマリが雄叫びを上げ、ボムの背後に現れたグアドに立ち向かった。
「蹴散らしてやる!」
「速攻で終わりだ!!」
ワッカとティーダも、後に続いた。
現れたグアドと魔物を倒すと、ワッカが呟いた。
「グアドのやつら、やり過ぎだろ。これーー」
徹底的に破壊つくされた建物内部を見て、ワッカは呟いた。
いくら反エボンに対する制裁とはいえ、余りに無惨な有り様にリュックは顔を歪める。
「ひどいよ・・」
シャッターを開け、居住区へ繋がる通路へ走る。
黒煙が濛々と上がり、切れた電線から火花が散っている。
照明が落ち、辛うじてついている非常灯と、炎上の灯りを頼りにホームの通路を進んだ。
リュックを先頭に走っていると、通路にシドの声が響く。
「ルヨユサエ!リュック!チミセウア?トヤネサヒコヒアシシデノ!ホームムザルマヌウ!」
シドの言葉にリュックは立ち止まり、驚きの声を上げる。
「うっそぉ!?」
「通訳!」
アルベド語がわからないワッカは、怒鳴った。
今は、細かい事を説明している時間はない。リュックは皆を急がせる。
「とにかく、地下に避難!」
「ユウナはどこだ?」
アーロンは、ユウナの安否を確認したかった。
仲間が保護していれば、あそこに居る筈だ。
「多分、召喚士の部屋。こっち!」
走り出そうとするリュックの前方に、自ら造り出した魔物を率いた、グアド族が現れる。
巨大な二本の角を聳え立たせ、ディアルホーンが立ち塞がった。
「召喚獣が呼べない時に、このサイズの魔物はキツいわね」
巨大な角を支えるべく発達した、太い前足と厚い身体。
力で圧されては、ひとたまりもない。
「何だ、弱音か?伝説のガード様」
アーロンがからかうと、アヤはムッとした。
「ご冗談でしょ。私が十年間、何もしなかったと思ってるの?」
そう言うと、アヤはディアルホーンの前に立った。
「アヤさん!」
「アヤ!」
ルールーとリュックが叫ぶ。
「大丈夫だ」
前へ出ようとした二人を、アーロンは腕を伸ばし制した。
「でも」
不安げな顔をするルールーに、アーロンは笑う。
「まあ、観ていろ」
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